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市ヶ谷試作機レポート

出張の合間に無理矢理時間を作り、シャープ市ヶ谷ショールームに行ってきました。
SL-A300がそれなりに実用になってきているので、必ずしもB500/C700を買わなければならないという気持ちはありません。実行メモリが減り、C700は電池の保ちが悪そうなので、どれだけダメか見てやろう、という目論見です。

市ヶ谷

東京は人が多くてげんなり。
JR市ヶ谷駅の改札を出て北側にお堀を渡った所にあります。初めて行ったのですが、駅からシャープのビルが見えて場所は一発で分かりました。
さて、ショールームに入り、カウンターの男性に「新しく出るZaurusを見にきたのですが」と告げると、正面の台に案内されました。C700とB500の試作機が一台ずつ展示されています。
デジカメでの撮影や、手持ちのSDカードを挿してのソフトの動作確認の許可を願い出ると、丁寧な口調で断わられてしまいました。とっても残念。それが目的だったのに。

C700試作5号機

さて、とりあえずC700(試作5号機)です。まずはACアダプタのケーブルをひっこ抜き、メニューから電源オフを選びサスペンドした上で電池蓋を開け電池を一度取り出して入れ直します。
電源ボタンを押すと・・・リブートしています。やっぱりスーパーキャパシタ入ってないのか。
先ほどのお兄さんが飛んできて、電池を抜いたためLinuxの起動からになってしまうのでしばらくお待ち頂きます、Linux再起動は試作機は製品版より少し時間がかかりますと丁寧に説明してくれます。慣れてるのかな。
2分強でメニュー画面に戻りました。A300で1分半程度だから製品版は同等かな。
ACアダプタはもちろん、抜いたままにしておきます。実運用でのバッテリーの保ちくらいはテストさせてもらおう。

メモリ配分

まずは「システム情報」です。アイコンがアプリケーションタブから設定タブに移っていました。注目のメモリー(実行メモリ)の空きです。
総メモリ30679KB
使用20673KB
空き9936KB
ほほう、10MB弱空いているのか。もっとも、Opieのsysteminfoのように詳しく表示していないので実態が見えません。
ユーザーエリア(ストレージ)の方は、
総メモリ32256KB
使用8088KB
空き24168KB
です。
メニューのアイコンを眺めてびっくり、ターミナルが最初から入っています。他にも、メニュー画面の設定もあるし、ユーザー辞書の登録用ツールも追加されています。
なにはともあれターミナルです。で、
free
を見てみると、
mem total 29892 used 28528 free 1364 shared 16
swapはありません。freeのシステム情報との差はBuffers(とCashed?)かな。
qpeなしのコンソール環境とか作れるのかなあ。そもそも普通にイメージするような全画面にテキストを出すようなコンソールって使えるのかしらん?
んで、
df
の方は、
/dev/root
1k-blocks 26112 Used 25520 Available592 /
/dev/mtdblock3
1k-blocks 32256 Used 8096 Available24160 /home
none
1k-blocks 16384 Used 424 Available 15960 /dev/shm
とか。
んじゃあ、
mount
は・・・
/
jffs2(ro)
/proc
proc
/dev/ram1
minix(rw)
/dev/mtdblock3
jffs2(rw,noatime)
/dev/shm
tmpfs
/dev/pts
devpts(rw)
略してます。ここで書いている数字は全部A300使ってHandSKKでメモ取っています。肝心の所で数字の帳尻が合ってないのは書き写し間違えでしょう。まあ、どうせ細かくは製品版で変わるでしょうし。
64MBそのままフラットにフラッシュディスクじゃrootなんだからシステムファイル全部消すことだって、と思ったのですが、一工夫していました。ってことは/home以下のシンボリックリンクの嵐はA300同様の構造、ということかな。
まあこの辺は試作機と量産型ではどう変わるか分かりません。あくまで試作5号機ではこんな設定だったということです。

バックライト

画面が見にくい、というか暗いです。ACアダプタ外したから、電池駆動時のバックライト設定になっているのでしょう。メニューのバックライト省電力設定でバックライトを強くします。下から二段目だったのを上から二段目にします。一番強いと本気でまぶしいので、この方が見やすい感じです。画面綺麗。ここまででACアダプタ外して15分ほど経過しています。

カレンダーはもっさり

全体にA300よりサクサク動く感じがします。一番印象の悪いのはカレンダーです。全検索ファイラーを兼ねているため動きがもっさりしています。これはdatebook2に入れ替え決定。他のアプリはカレンダーのようなもっさり感はありません。一々ファイルを全検索しているんじゃ遅くて当たり前。A300で最初、(ほう、超整理法か)と感心した機能なのですが、A300を実用で実戦投入して、SDに山ほどテキストファイルを入れていると、Documentsフォルダー配下じゃなくても律義に捜し回ってくれるので、純正「カレンダー」はもっさりどころか初代カシオペア日本語版も裸足で逃げ出す表示の遅さで全く使い物になりませんでした。「匿名」さんのdetebook2がなければPIM用途は全面不使用にしようと思っていたくらいです。
B500/C700でもSDカードの全ファイルを一々検索に行くプログラムのままなのかは確かめられませんでした。常識的にディレクトリ限定にしてくれれば、自動ファイルリンクはけっこう好きな機能なんですけれど・・・。
他のアプリケーションソフトも全検索かけてる画面への遷移は待たされます。そういう動作だろうな、と思っているので違和感ないけれど、Palmユーザーが乗り換えたいと言って来たらPalmとは全然別世界の機械だと説明しないといけないでしょう。

高速起動オプションのメモリ消費

高速起動は、カレンダー、アドレス帳、ToDo、イメージノート、メールと常駐しまくっています。全部高速起動のチェックを外してメモリから追い出し、システム情報から空きメモリを見ると、
16780KB
です。ん、これなら通常使用でのメモリ不足はNetFrontで画像Onのときくらいかな。ウェブブラウザをバンバン使いたい向きは今回スキップして次機種ですね。メモリ不足問題を全く知らない人っているのかな。りなざうまにあっくすは読んだ上で予約するよね、ふつ〜。(笑)
知らないで買った人には酷い機種かも・・・。
ONScripterあたりはswapfile必須だけど、これはA300でもそうだし。いや神木さんは別として。(笑)
一般的な使用では、それなりに使えそうな感じです。これなら他人にも勧められるな。ただしブラウザは画像オフで。あと、メモ帳には検索機能はありません。いやgrep使えばいいのだけれど、旧Zaurusユーザーってコダワリある人もいるみたいだし。

キーボード

キーボード、CtrlはShift+Fn、EscはCancelです。親指タイプをためすとしごく快適です。むむ。良い。良いよこれ。打てる。FnとShift+Fnを入れ替えられれば、このままの配列で十分おっけーな感じです。
むしろ、BSを一段勘違いして「p」キーを押してしまいます。このミスが一番多いタッチミスでした。慣れの領域かな。色分けデザインで誘導されてるのかな。置いて打つより親指打ちの方が打ちやすいです。変換効率は悪くないです。もっともぼくはATOKじゃなくてもぜんぜんおっけーな人なので当てにはなりません。

自分が言葉を綴る道具として使えそうな感触です。個人的にこれが一番大事。運用で切り抜けられることと、どうしても許せないことって、個人によって違うものです。

Qtopiaの操作はHome/Cancel/OK/Menuとカーソルで操作できるので、PocketPCやPalmのようにキー操作の途中に画面タップが混じってうっとうしくなるようなことがありません。A300ではキーだけで操作なんて考えられなかったけれど、C700はキーで基本的に全部いけます。複数タスクの切り替えのキー操作だけ分かりませんでしたので、これは製品版のマニュアル待ちにしておきます。
全体的に処理がA300より早いし・・・買いかな。

ビュースタイル

ビュースタイルにしたときの縦横切り替えは数秒待たされます。ズーム機能(フォントサイズ切り替え)はよくできています。なお、画面の設定でシステムフォントをボールドにできるので、高精細すぎて目が疲れるようなことは一切ありません。640×480を意識することなく享受できます。
ビュースタイルにしたときの画面の下のタッチボタンは、
左端の*がズーム?で、右にカレンダー、アドレス帳、メール、Homeのようです。ビュースタイルも持ちやすいです。使える。左にヒンジ部分があるので画面が右に寄って感じられます。
メニュー画面でズームしようとしたら一瞬ハングしたかと思うほど待たされました。変。
液晶を内側にして閉じると、見た目小さな電子手帳です。小さい。
インプットスタイルでガシガシ入力していると、右人差し指に押されて画面がわずか回転してしまっていました。これも慣れかしらん。

電池の保ちは

他のお客さんが来て、新しいザウルスを・・・とカウンターで聞いています。C700の展示は一台だけなので、これにてゆずることにします。バックライト輝度下から二つ目で15分、輝度を上から二つ目にして40分、55分の間ですがリブートを含め相当いじりたおしました。電池残量表示はなんと100%のままです。4段階表示なので75%までは落ちていないということでしょう。いいじゃん、通信しなけりゃ完全に実用だよ。
ウルトラマンPC110やINTRETopでは充電済み予備電池を6本持ち歩いていましたが、そこまでしなくても良さそうです。

B500

C700を他のお客さんにゆずり、B500の試作機にとりかかります。バックライト省電力設定でCPUを高速モードと省電力モードに切り替えるラジオボタンを発見。C700試作5号機にはなかった機能です。B500の方だけの機能なのかな?
メモリ構成はC700と似たり寄ったり。設定の違いか、ユーザーエリアの空きが少ないです。まあ試作機だし。
電池容量はC700に比べ断然多いし、通信しまくるならこっちだな。

良くなっているスライドキーボード

MI-E21ではどうにも慣れなかったスライド式キーボードですが、B500ではなかなかしっくりきます。システム行でなくインライン入力なので違和感がありません。筐体もハンドリングが良く、バッテリー部分をホールドするため重量バランスも良い感じです。A300に比べるとかなりずっしり重いですが、ボタン操作でデータビューならむしろ扱いやすいかもしれません。
じゃあB500を買うかというと、あの一度見たC700の美しい表示が頭を離れません。B500の画面が荒くてコントラストの低いものに見えてしまうのですから、C700の印象はそれだけ強烈だったのでしょう。VAIO Uのように高精細だけど見にくいのではなく、高精細でいながらそれを意識させない見やすさでした。

B500とC700、自分で買うならどっち?

長時間通信するならB500、そうでなければC700です。
現在、A300でずっとAir-H"で繋いでいるかというと、むしろ滅多にAir-H"を使わないのが実情です。LANカードや無線LANカードは頻繁に使いますけれど、それは職場や家の中です。予備電池二個とバッテリー充電器を買うより、予備電池一個とACアダプタ一つを買った方が良いような気がします。
C700よりB500の方が動作が遅いです。描画や起動にA300を思い出させるもたつきがあります。おかしい、同じスペックのはずなのに。ふと思い出してバックライト省電力設定を見ると、CPUが省電力モードになっています。これか。切り替えると、OS再起動まではせずに、メニューに戻るだけですぐ切り替わるようです。
B500は実用品で、他人にもすすめられそうなマシンです。キーボードも意外にC700と同等か、これはこれでとても打ちやすくて、むしろ扱いやすいこともあるかもしれません。通信といってもウェブブラウザは使わない、という前提です。これは言い尽くされているので来年の次機種待ちでしょう。
自分でB500を買うかと言うと・・・。
B500だと、今使っているA300と変わりばえしないのです。B500、良いけれど、愛用のA300があるから、別れてまで乗り換える気にはなれないでいます。
市ヶ谷ショールームを離れるとき、なにやらC700を箱から出していじっている方を発見。もしかしたら最新の試作機かもしれません。古い試作機の修理調整かも。気になったのですが、時間がないのでその場を後にしました。詳細な市ヶ谷レポートは東京の人に任せた方が良いでしょう。

現物に触って・・・

C700は、中古で安くなってきたら一つくらい入手してもいいか、しばらくはA300で行こうと思っていました。
現物を見て触って、電池の保ちもカードを挿さなければ意外に実用だと分かり、どんなメモリ配分になっているかも見えて来たし、「カレンダー」以外はさくさく動く感触だった上、1時間いじってタップの取りこぼしなどもなかったため、評価はぐんと上がりました。
プレスリリースでは、どうでもいいところばっか改善して肝心のメモリは減らして電池の保ちはサイアク、という印象だったのですけれど、A300に比べて色々とマメに改善している感じです。ターミナルが最初から入っているのもなかなか笑えて良いです。
こうなると、A300は有償βで、B500/C700が日本語版LinuxZaurus正式版第一弾と言っても良いかもしれません。
(A300でアップデータが出れば、それはそれで良い感じかも。重量級ガンタンクB500や大火器搭載のガンキャノンC700よりも、コアファイターA300の方が取り回しやすいこともあるみたいな)
メモリと電池については、運用で切り抜けられるかな、という感触です。C700は理想の機種ではないけれど、今一番面白い小箱なのは間違いなさそうです。
ま、持ち歩きではC700にもう一台合わせてもいいし。HandEra330やHP100LXやMI-C1やA300やjornada568は仕舞い込まずに毎日臨戦体制でスタンバッているので、このうちのどれかを相方にしてやればいいかな、と思っています。

文市の小箱茶室ケーキ小箱-C700-[市ヶ谷]/ LX紅茶読書自転車好み他伝言板リンク

文市(あやち)=青野宣昭