T-Time5.5βのWindows版が3月15日より公開開始されました。3/15の報道資料によると、T-Time v5.5とazurの発売日は2005年4月15日予定とのことです。(3/15/2005)
ボイジャーのT-Timeはケータイでの利用やザウルスでの利用を提供してこなかったのをきっかけとして、シャープのザウルス文庫のXMDFに圧倒され、日本の電子書籍デファクトスタンダードの座を追われました。ケータイと電子辞書を含めたXMDFビューア搭載機器は2004年度末で累計1000万台に達していると言います。
T-Time5.5βは、そんな落日のように見えたボイジャーT-Timeの底力が遺憾なく発揮されているように思えます。
T-Time5.5 では、「書き出し」という新機能が実装されました。T-Time上で表示される各ページを画像ファイルとして連続書き出しできる機能です。ビューアソフトを各プラットホームに開発しなくても、画像ビューアさえあれば電子書籍が閲覧できます。特筆すべきはその表示品質の高さです。
今時のケータイのハードウェアはQVGAフルカラー液晶が当然のようになっていますけれど、それを真に活かす電子書籍閲覧ソフトがなかったのだと思い知ります。T-Tim5.5による表示は衝撃的な美しさです。
文庫ビューアの表示と比べると雲泥の差です。T-Timeは最初からアンチエイリアス表示に対応していたのと比べ、文庫ビューアはどのプラットホームのビューアでも文字のアンチエイリアシングを行っていません。これはマルチプラットフォームでの高効率な開発体制を目指したこと、液晶画面上で優れた視認性を持つ傑作「LCフォント」があることも関係あるのでしょう。
(リンク先原寸)
Zaurus SL-CシリーズでDFパブリフォントを入れると、そこそこ美しい表示になります。登場時は精細なVGAと相まって、素晴らしいと思ったものです。しかしT-Time5.5に及ばないのも間違いのないところでしょう。
ZaurusにはT-Timeビューアが(どんな事情か知りませんが)提供されてこなかったので、T-Time5.5の「書き出し」機能はSLシリーズZaurusユーザーにとって価値があります。
(リンク先原寸)
ボイジャーは、書籍の世界で活字の美しさが持つ力を理解しているように思えます。
T-Time5.5β版では、レジストしないと「書き出し」は最初の10頁だけしか画像ファイルにできません。T-Time5のライセンスキーは1050円で販売されています。
なんだ有償かと思われるかもしれません。しかし「書き出し」機能は十分それ以上の価値があると思います。画像ビューアさえあれば、どんな怪しい小箱でも利用できるというだけでも、kobako.asiaでは自信を持っておすすめします。
グーテンベルク21のCD-ROM文庫はいわゆるPDAでも読めるテキスト・ファイルを全作品に追加し、ラインナップも充実してきてなかなか魅力的です。
古典ミステリ Best15 やギリシア悲劇全集、精選アメリカ文学、精選イギリス文学、シェイクスピア11 など。当分の間送料無料だそうです。
今日、ボイジャーよりT-Break (パブリックベータ版)ダウンロードが、ARCHITUMPよりPooK ver.2のダウンロードができるようになりました。
早速試したところ、PooK ver.2はCLIE NR70のワイドハイレゾにも対応し、良い感じで表示されました。Palm m500でも良好です。
当然と言うか、アンチエイリアス表示はされません。どうも奇妙に感じてしまいます。
XMDFはPCで読めませんが、ドットブックはPCで読めます。また、PalmやCLIE以外ではアンチエイリアス表示が可能です。
XMDFとドットブックの両形式で販売されている電子書籍がある場合、どちらが良いかと聞かれたら、むつかしいところですが、Zaurusユーザー以外にはドットブックをすすめすることになるでしょう。
※Sharp Space Townでも提供されています。(9/10/2002追記)
Palm OS対応ブンコビューアの提供開始は6月3日正午の予定です。(6/1/2002)
Palm OS版ブンコビューアは、予定通り6月3日に公開されました。早速その日にm500とCLIE NR70で確認しました。CLIEの高解像度用のフォントに対応しており、高解像度CLIEだと最小/小/中/大の4種類のフォントを選べます。m500だと小/大の2種類です。
高解像度CLIE以外の日本語PalmOSデバイスの場合、山田さんのPowerFONTを利用すればSフォント等へのフォント変更は可能です。CLIE NR70のワイド画面には対応していません。hrFontMapperで強制ワイド画面表示もできませんでした。
スピードはとくに気になるほど遅いようなことはありません。また、ファイルサイズも、Windows用のコンバータzbd2pdbで*.zbfから*.pdbに変換してもわずかに増える程度で、問題ありません。書籍一覧画面では、本体とカードの切り替えや並び替えもできます。その他の機能もブンコビューアそのままです。十分使いやすく、不満点はありません。コンバータはWindows98SE/Me/NT/2000/XP用となっており、Mac用やUNIX用等は用意されていません。MacユーザーはVirtualPC等でWindows環境を用意する必要がありそうです。
各機種出揃ったわけですが、ブンコビューアはどのプラットホームでも同様の機能と操作性を実現しています。すばらしいです。あとはアンチエイリアス表示機能が加われば、無敵でしょう。
あえて機種間比較すると、最も優れているのはフォントを自由にインストールできて画面も見やすいPocketPC2002で、フォントは選べなくても最初から非常に見やすいZaurusがこれに次ぎます。
OSのバージョンが古くフォントを入れると爆遅が起こったりするiPAQ以前のPocketPCや、さらに反射型カラーTFTのマシンすらないH/PCは魅力にとぼしくすすめられません。PalmとCLIEは画面が小さくて読みにくく、価格の安さ以外に魅力がありません。
T-Timeが使えることも考慮すると、現在はPocketPC2002が読書端末として最も優れていると思います。(6/5/2002)
2002年5月15日現在、DoCoMoの電子書籍配信サービス モニター実験でラインナップされた電子書籍タイトル一覧は以下の通りです。
5月28日、以下の8タイトルが追加されました。
DoCoMoの「電子書籍配信サービス モニター実験」自体は、魅力のないもので、正直DoCoMoのPHSは解約しようかと思いました。
一方、新ザウルス文庫の豊富な電子書籍タイトルを様々なWindowsCEマシンで読めるようになったのは大きな収穫です。新ザウルス文庫をどんどん買って、CFに入れておき、PocketPC2002やZaurusで機種を超えてシームレスに読もう、と思いました。
なお、ザウルス文庫で販売されている電子書籍データは、テキスト形式と、XMDF形式があります。
光文社電子書店、徳間web書店、おとなの本屋・さん、双葉社電子書店はテキスト形式のため、通常のテキストビューア(RubyReader、TTVブックリーダー、LE.EXM等々)で読むことができます。実際、従来から光文社電子書店の電子書籍をH/PCやPocketPCで全く問題なく利用できています。
一方、文春ウェブ文庫、中公eBooks、ザウルスセレクト文庫、丸善e−ライブラリー、祥伝社WebBooks、鬼平ウェブ文庫はXMDFという新ザウルス文庫形式のため、これまではZaurusのブンコビューアVer2.1以降でないと読むことができませんでした。Zaurusを使わなくなったらもう読めない、というものでした。
機種をまたいで汎用的に使えるという利点を思うと、テキスト形式しか選択の余地はないと今までぼくは考えていました。しかし、今回これだけの小箱に対応してきたのなら、XMDF形式もとくにためらいなく買えるかもしれません。もちろん、蔵書としての永続性や、内容を処理して研究するにはガードのかかった形式は論外なのですが、ただ、買って、読み捨てるのなら、十分ではないかと思います。
東京国際ブックフェア2002(デジタルパブリッシングフェア等を同時開催)に行ってきました。
東京はすっかりごぶさたですが、フェア最終日にML『電子書籍への飛翔』のオフ会があったのです。
しばらく電子書籍ページは更新停止状態でした。あまり興味をひくこともなかったのですが、昨年10月20日にカシオのラジェンダにT-Timeが乗り、ドットブックを読めるようになり、続いてPocketPC版のT-Timeも11月22日に公開されました。これには興味津々で、ところがH/PC版はいくら待っても出て来ず、仕方なくjornada568を購入しました。
そうするとjornada568がなかなか使えるのですっかりそちらにハマっていました。
今回のブックフェアは新ザウルス文庫対ドットブックの様相がなかなか面白いです。トッパンで豊富な展示の電子ペーパーも本当に視認性が素晴らしく、楽しめる内容でした。
久しぶりにこういった展示会に行ったので、気になるブースを回って、厳しく突っ込んでみました。
なお、ブックフェアでの電子書籍についての一般的な内容については、以下の記事あたりでご確認いただけます。
PocketPC/ラジェンダ版T-Timeについて、120%の表示と140%の表示の間が欲しいなどの点に不満があり、オンラインソフトのテキストビューアの方がそういった点で使いやすい、暗号をテキストにするDLLを公開して、広くビューアソフトを作ってもらえる環境を整えて欲しいと突っ込んでみました。説明員は、それは飯の種だから、のようなことをつぶやいていたところをみると、こちらの言った内容を理解できていないのかもしれません。PDA版T-Timeは無償配布していますから。
また、PocketPC、ラジェンダ以外の機種への対応について質問したところ、今メインステージでCLIE用を出す発表をする所なのでそちらへどうぞと案内されました。
これは、.book形式からCLIE用のpdbに変換する方法でした。
デモでは、T-Break.exeというWindows上で動作するプログラムを利用し、562KBのドットブックを1264KBのpdbファイルに変換していました。これでは使いものにならない大きさなので製品化までにはもう少し何とかして欲しいところです。
せめて、T-Break.exeに、画像を削除しテキストのみに変換する機能を持たせて欲しいです。
デモの中で、PocketPCとPalmで8割のシェア、その他がZaurusなどという発言がありました。確かに今はZaurusの機種の谷間で、CLIEとPocketPCは新製品ラッシュでにぎわっていますけれど、累積販売台数はもちろん、実稼動台数もPocketPCってまだわずかな割合でしかないはずです。少なくとも、Zaurusに遠く及ばないのは間違いないでしょう。
デモの後、萩野社長にパブリッシャーズキットを買ったのにドットブック形式が作れないと訴えると、TTZを.bookに即時変換するサービスをボイジャーのサイトで始める準備中だと教えてくれました。ただし、その.bookのファイルを渡すことはできない、リンクを貼って、あくまでボイジャーのサイトからダウンロードする形とのことです。その.bookを無償ダウンロードにすることも可能とのこと。
萩野社長の熱意は素晴らしく、「読者としてドットブックを買っても将来使えなくなれば、蔵書が失われるに等しい、信用していいのか?」という突っ込みへの返答には、良い印象を持ちました。応援したくなります。
田辺さんの丸顔に乗せられて思わずVOYAGERトートバッグを購入。良い雰囲気ではあります。
ボイジャーには、たとえばWindows用ビューアでQuickTimeが不要になるなどの技術的改善があれば技術力を信用する気にもなるのですけれど。
実績では圧倒的なザウルス文庫ですが、今はザウルス自体が魅力に欠けたモデルしか出されていない時期です。
シャープのブースのSSTの方に、DFパブリフォント以外のフォントの利用について問い合わせてみました。
フォントを作るのが大変で個人でそういう方が出てこないなどと、たわけたことを言ったのは悪印象。ライバルのPocketPCは市販のトゥルータイプフォントが豊富にある上、フリーで公開されているフォントまで存在する事実を知らないのか無視しているのか。
MOREソフトの開発環境が実質フリーで提供されているようなオープンな形を希望すると伝えました。
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