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●W21CAIIでPOP3メール
京ぽんも702NKも普通にPOP3メールクライアント内蔵です。ところが、W21CAIIにはこれがありません。わかってないよカシオもauも、これは最低ラインじゃないか。もちろん、分かってないのではなく、キャリアの理屈はユーザーのニーズとは全く異なることを垣間見せています。こんな当たり前の機能が実装されないのが、日本のケータイの歪みです。
じゃあW21CAIIで普通のPOP3のパソコンメールの受信ができないのか、というと、そういうわけではありません。ユーザーが別売りのソフトやサービスを導入すれば良いだけです。でも、カタログに載っているかどうかで判断する場合、W21CAIIは普通のパソコンメールができない、とみなされて当然だと思います。POPメールクライアントくらい標準でのせておいて欲しいものです。これから述べるようにないわけではないので、auがユーザーニーズを優先すればすぐに実現します。次機種に期待しましょう。
auケータイでパソコンメールといえば、月105円で利用できるBREWアプリ「ぱそメール★105円」が定番です。ただ、W21CAIIは動作確認がとれていないのか、まだ対応機種リストにのっていません。今回は「ぱそメール」以外のものを試してみました。
「ぱそメール」がW21CA W21CAIIに対応しました。（2005/6/9）
●KDDI POPメーラ
なにしろKDDI自身が提供しているBREWソフトで、そのものズバリ「POPメーラ (携帯版)」というものがあります。
初期費用1台当たり1000円のみで、マルチアカウントのそれなりになかなか良くできたPOPメールクライアントが手に入ります。
設定も、いくつかのプロバイダの設定は既に入っていて、簡単にできるようになっています。なかなか出来のよさそうなBREWアプリです。
アカウント設定も、POP before SMTPやAPOP、署名機能など、しっかり実装されています。設定していて完成度高そうだと感心します。
試用版をダウンロードし、早速設定し、受信してみます。
受信速度は、メールの一部だけ最初に受信するようにしているのに、速くありません。どちらかというと遅いです。ここは改善の余地があるはずです。1x WINの回線速度でBREWアプリですから、まだまだ高速化は十分できるはずです。
マルチアカウントを一気に巡回できます。定期的に自動巡回もできるようです。
受信メール一覧画面です。EZwebによるサービスだと基本的にテキストブラウザベースなので画面設計が限られますが、BREWアプリなので画面を自由ににレイアウトして表示されています。これが印象を良くしている一因になっています。
メールサイズが大きく巡回時に全文受信していない場合、個別に続きを受信できるようになっています。
添付メールも取ってこられますけれど、WordやExcelのファイルを扱えないので、添付ファイルがあるということしか分かりません。
全体的に良く出来た印象のメールクライアントです。
ひとつ大きな問題があり、この「POP メーラ」は法人向けに販売されています。普通に端末内蔵でもおかしくないのに、この扱いです。
ぼくは、試用版で試している中で、spamメールによってはメモリアクセスエラーでソフト自体が落ちてしまうことを経験したので、購入は見送りました。
なかなか高機能なメーラーですから、できれば次機種以降では標準で内蔵して欲しいと思います。
●リモートメール
さて、今回BREWアプリは見送り、EZweb経由のサービスにしてみます。
もちろん、PCサイトビューアがあるので、プロバイダのWEBメール機能を使えば済んでしまうといえばその通りなのですけれど、せっかくなので色々試してみることにします。
実は、最初は自分でPCサイトビューア用に、WEBメール用CGIを設置しようと思っていました。以前に試したこともあります。今回、リモートメールサービスを試して、画面設計などを参考にしようと思っていたのですけれど、十分使い勝手が良いので、自力でWEBアプリを準備するのは先送りにして、当面こちらを利用しようと思いました。
リモートメールは月210円のサービスです。au端末の場合、EZwebから利用できます。
リモートメールもマルチアカウントに対応です。POPメーラと異なり、アカウント切り替え式の画面構成になっています。
受信一覧画面はきわめて高速に表示されます。携帯電話の回線越しにPOP接続するか、サーバー上で行うかの差が如実に現れます。操作感はキビキビしていて大変快適です。
どんなに長いメールも大丈夫だそうです。メール本文を閲覧するだけでなく、添付ファイルも扱えます。
WordファイルやExcelファイルの中身のテキストを抽出して表示してくれます。OpenOffice.orgで作ったそこそこ大きなExcelファイルの中身も無事読めました。
三洋電機のAirStorageサービスの方を利用すれば、年間料金2,520円初期費用315円で、グラフィカルに添付ファイルの閲覧ができますけれど、専用のメールアドレスに転送が必要となります。ぼくの使い方だとテキスト抽出のリモートメールの方がありがたいです。
さらに、FAX出力サービスの利用も可能です。Word、Excel、Powepointファイルに対応しているようです。有料サービスだけあってなかなか良く出来ています。
EZwebのメールに直接転送しても、WordやExcel形式の添付ファイルは扱えませんから、リモートメールは重宝するサービスだと思います。
月210円というのは高い気もするのでそのうち自力でCGIを設置して移行するかもしれませんけれど、なにしろ手軽でサクサク使えるので、当面リモートメールサービスを利用することにしました。
PDAでがんばってメールを受信するより、ケータイの方が手早く目的を達成できるというのもあながち間違っていないように思います。
●ぱそメール★105円
6月9日に、ようやくW21CA/W21CAII対応が表明されました。ダウンロードは無料で、5日間の試用が出来るので、試してみると良いと思います。
ぱそメールはBREWアプリで、アドレス帳の読み書きもできます。
設定は一通りの機能を網羅しています。アカウントは5個まで設定できます。十分です。
かわいい白ヤギさんが手紙を届けてくれます。受信速度はKDDIのPOPメーラよりはるかに高速で、普通に近いです。一通は一画面程度しか取ってきていないはずなので、もっと高速化は可能なはずです。
受信メール一覧は1件3行が初期値ですが、件名だけや名前だけの1行表示に変更も可能です。文字の大きさの変更はできません。
アドレス帳は参照だけでなく、受信メールからの書込み機能があります。参照だけではあまり意味がありませんから、この機能には感心しました。ただ登録時に名前等を編集できるわけでなく、勝手に登録されてしまうのでどうも不便です。
最初メールボックスに22通来ているのに20通しか受信しませんでした。あまりのプアさにあせりましたが、これは設定で100通まで広げられます。
設定変更するとごちゃごちゃ言い訳されます。
受信メール一覧から選んで表示すると、続きをダウンロードしにいきます。ところが、全文を受信できない仕様のようです。半角7000文字らしいですが、「最大文字数超過のため受信はここまで」と表示され、何をどうしてもそれ以上受信することが不可能です。仕事では全く実用にならないと感じました。
サーバーから削除は一通毎に削除を選び、その度に繋げて削除してきます。SPAMを次々選択して一括削除機能はありませんし、SPAMフィルタサービスもないようです。
●ぱそメール以外の選択肢と比較
リモートメールは月額210円ですが、ぱそメールなら月額105円で半額で済みます。月105円高くても良いならリモートメールの方がおすすめでしょう。
少しでも安くしたい場合は、ぱそメール★105円ではなく、広告付きながら無料のMoCoメールの方が良いかも知れません。
MoCoメールは月数回の携帯広告メールを許せるなら、大容量のメールも扱え、添付画像も見られるようです。MoCoのWEBメールサービスはPCからも扱えるのでパケット代を節約したい向きには良さそうです。
ぼくは既にパケット定額だし、広告メールはいやなのでMoCoメールは登録していませんけれど、支出を抑えたい場合に有力な選択肢ではあるでしょう。
高機能が欲しい場合はAirStorageかリモートメールが良いでしょうから、ぱそメールを選ぶ理由はあまりなさそうです。
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文市（あやち）＝青野宣昭