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SL-C3000 5GB HDD換装


C3000写真


第6世代Zaurus SL-C3000


C3000写真
HDD内蔵なんて耐久性が低い、電池を喰う、小箱には無用の長物と思っていました。SL-C3000を使い始めて、すっかりC3000にはまっている自分に気付きます。どっぷり依存しだしています。これはC700やC760のときにはなかった感覚です。
ひとつにはソフトです。FileLaunchとEBtとZEditorとTTextReaderによるPIM環境が馴染みます。そしてそれを底支えしているのは、常用PCのHDDにずっと溜め込まれているテキスト形式のユーザーデータの全てを、そのまま、一切の取捨選択なしに放り込めたという絶大な安心感にあることに気付きます。「あのデータは母艦PCのHDDにしかないなあ」という事情による作業の中断が絶対にありえない、というのは体感してみて、ボディーブローのようにじわじわと確実に効いてくるインパクトなんだと気付かされます。
C3000は、今までのSLシリーズZaurusと変わり映えのしない、iPodの真似で営業の売り文句のためにHDDを内蔵しただけで、なにそれ意味ねーじゃん、というマシンだろうと最初思っていました。いえ、商品企画のきっかけは多分そんなところなのかもしれませんけれど、製品として作り上げられ、出来上がってきたモノは凄いです。SL-Cシリーズと言っても、筐体も基板も何もかも新設計の別物です。


C3000写真
筐体についてはぼくはC700系キーボードの方がしっくりくる部分もあります。ギシギシ、パチパチうるさいC700系筐体のキーボードですけれど、強く押しても筐体自体で下支えして受け止めてくれる安心感をぼくは良いと思っています。C3000はとても静かになったし、軽いタッチでクリック感もある優れたキーボードです。下は金属板で、筐体の構造材そのもので支えられているわけではありません。ただし金属板は8本ものネジでキーボード表面部に堅く固定されており、分解してとりだして力をかけても曲がらないしっかりしたものなので、キータッチに不安感はありません。キートップが柔らかい素材のために見た目キーの一部(特に中央部分)がへこんだり出っ張ったりしていることがあります。


C3000写真
キートップのでこぼこは、キーとキーの間を満遍なく下に押し込んでいくと直ることがあります。Capsなどと青く印刷してある銀色の面をぐいぐい押してやるだけです。
C3000のキーボードといえば、円いカーソルキーが特徴です。このカーソルキーは、ぼくは使ってみてとても良いと感じています。肌触りが良いです、というと冗談みたいですけれど、インプットスタイルでビューアとして使うときに大変馴染みます。
[Ctrl]キーが追加されたのも素晴らしいです。これは本当に素晴らしいです。もちろんKeyHelper Appletでカスタマイズしていたわけですけれど、それでも[Ctrl]があると自由度がぐんと高いです。[/]キーがシフトが必要なのは相変わらずですけれども。


MuVo2 FM 5GB


C3000写真
C3000を使い込んでいくうち、ふとHDDの空き容量を見ると500MB程度になっています。ぼくは音楽データはC3000にはあまり入れないし、動画データも小さなものしか入れません。辞書データとテキストデータや電子書籍データ、画像データといったところが大半です。それでも500MBだとあまり空きが多い気がしません。「4GBハードディスク搭載」が宣伝文句でシールまで貼ってありますけれど、実際使えるのは2.9GBです。広辞苑やジーニアスを消すのはもったいないです。もう少し、大きな容量のハードディスクを搭載していればいいのに。でもマイクロドライブといえば4GBです。

使い込んでいくと、もう一つ別の不安があります。HDDが壊れてしまったらどうなるのか。ノートPCだったら、HDD換装してリカバリCDからリカバリしてバックアップしていたユーザーデータを戻せば良いわけですけれど、C3000だとどうなるのでしょう。データは必要な部分のバックアップをとっておけば良いですけれど、修理に出している間C3000が使えないのは困ります。自力で直せないというのは不安です。

CF型ハードディスクで、一般に入手可能なものに、実は5GBのものがあります。Seagataの5GBですけれど、単体販売は見たことがありません。CREATIVE MuVo2 FM 5GBというmp3プレイヤーがSeagateの5GB CF型HDDを内蔵しているらしいです。これを分解して中身を取り出せば、5GB CF型HDDをゲットできるはずです。MuVo2 FM 5GBはヨドバシカメラで2万5千円弱で販売されていました。早速買ってきて中身を取り出します。


C3000写真
簡単に取り出せました。というか、元に戻すつもりがないから気楽に分解できたせいかもしれません。


C3000写真
たしかにCF型HDDです。よかった。


C3000内蔵用HDDに設定


C3000写真
というわけで、換装することにします。内蔵HDDの1番目と2番目のパーティションの中身はよく調べていません。そういえばddもtarボールも準備していません。うーん。LinuxノートPCでデータ吸い出すのが簡単だけど、SL-C3000単体でなんとかやってみよう。そうじゃないと、いざというときの対応という意味では弱い気がします。
まずはメンテナンスカーネルで起動します。電池蓋を開き、キーボードの[D]キーと[B]キーを押しながら、電池の横の小さい黒い長四角のリセットボタンを押します。電池蓋を閉めてロックし、電源ONすればメンテナンスカーネルで起動します。内蔵HDDはmountしていない状態です。CFに5GB HDDを挿せば普通に認識します。
# fdisk -l /dev/hda

Disk /dev/hda: 4095 MB, 4095737856 bytes
16 heads, 63 sectors/track, 7936 cylinders
Units = cylinders of 1008 * 512 = 516096 bytes

   Device Boot    Start       End    Blocks   Id  System
/dev/hda1             1       204    102784+  83  Linux
/dev/hda2           205      1020    411264   83  Linux
/dev/hda3          1021      7936   3485664    c  Win95 FAT32 (LBA)
/dev/hda4             1         1         0    0  Empty
Partition 4 does not end on cylinder boundary.

まずはオリジナルのHDDのパーティションをメモしておきます。
CFは/dev/hdcとして認識しているようです。
# fdisk -l /dev/hdc

Disk /dev/hdc: 5000 MB, 5000970240 bytes
16 heads, 63 sectors/track, 9690 cylinders
Units = cylinders of 1008 * 512 = 516096 bytes

Disk /dev/hdc doesn't contain a valid partition table
認識してるけどパーティションは一つも見えないよ。それじゃ区画切ろう。
# fdisk /dev/hdc

m	(メニュー表示)
p	(現状表示)

n	(新規パーティション作成)
p	(プライマリパーティション)
3	(3番目のプライマリパーティション)
1021	(First Cylinder)
9690	(End Cylinder)

n	(新規パーティション作成)
p	(プライマリパーティション)
2	(2番目のプライマリパーティション)
205	(First Cylinder)
1024	(End Cylinder)

n	(新規パーティション作成)
p	(プライマリパーティション)
1	(First Cylinder)
204	(End Cylinder)

p	(現状表示、オリジナルと同じかどうかメモを見て確認)
w	(書き込み)
よしよし、フォーマットしてと。
# mkdosfs -F32 /dev/hdc3
hdc1とhdc2は大きさ合わせたけど、hdc3は当然サイズ違うから、cp -aでデータ移行するかな。
# mkdir /mnt/hda
# mount /dev/hda3 /mnt/hda
# mount /dev/hdc3 /mnt/cf
# cd /mnt/cf
# cp -a /mnt/hda/* .
ああ、Documents/Web_Files以下に日本語ファイル名が・・・。自分でファイル作るときは日本語ファイル名使わないから忘れてた。
あれ、母艦から放り込んだ画像ファイルにも日本語ファイル名が多数あるよ。やり直し。
# umount /mnt/hda
# umount /mnt/cf
# mkdosfs -F32 /dev/hdc3

# mount -t vfat -o iocharset=utf8,codepage=932 /dev/hda3 /mnt/hda
# mount -t vfat -o iocharset=utf8,codepage=932 /dev/hdc3 /mnt/cf
最初からオプションつけてmountすれば一回のcpで済んだのに。っていうかこの部分は後でコピーしたっていいだろうなあ。まあいいや。
# cd /mnt/cf
# cp -a /mnt/hda/* .
たぶんおっけー。
# umount /mnt/hda
# umount /mnt/cf
さて、hdc1とhdc2をコピーしておかなきゃ。MBRの446bytesは要るのかな?たぶんフラッシュから最初起動するんだろうからなくても大丈夫じゃないかな。必要だったら後でddしよう。
# dd if=/dev/hda1 of=/dev/hdc1
205568+0 records in
205568+0 records out
512だから・・・合ってる。
# dd if=/dev/hda2 of=/dev/hdc2
822528+0 records in
822528+0 records out
サイズ合ってる、うん。
# mount /dev/hda1 /mnt/cf
# ls -lait /mnt/cf
よさそう。
#umount /mnt/cf

# mount /dev/hda2 /mnt/cf
# ls -lait /mnt/cf
よさそう。
# umount /mnt/cf
CFから5GB抜いて
# reboot
正常起動だ。間違えて内蔵HDD消したりはしてないな。よし、換装しよう。


換装


C3000写真
今時のノートPCのHDD換装は誰でもできるごく簡単な作業ですけれど、SL-C3000のHDD換装はフレキコネクタなどを壊してしまいがちで、大変リスクの高いものです。キーボードに接続しているフレキコネクタを壊せば、キーボードユニットの一部である電源ボタンが入らないし、液晶に接続しているフレキコネクタ(ぼくは端を少し折ってしまいまいた。あぶない)を壊したら画面は一切つきません。致命的なものばかりです。壊したら笑ってもう一台買ってくる心構えができていないといけません。もちろんメーカー保障が切れるのは当然ですが、メーカーに修理に出すのもとんでもない話です。

さて、半田ごてを取り出して、分解はさくさく進めますが、問題はHDD保護用の4つの黒いスポンジシールです。当初、ゴム2本と輪ゴムで代用しようと計画していましたけれど、オリジナルHDDからうまく剥がせたので付け替えることにしました。じつはここが一番の悩みの種だったので、ホッとしました。
慎重に組み立てます。銅テープもハンダ付けして、ネジを全部元通りに。
よし、起動!・・・

・・・

・・・起動しない(涙)

HDDのアクセスランプは点くけど1分ほどお待ち下さい画面が出ずにブラックアウト。

半田ごてを取り出して再度分解、慎重にチェックして再度組み立て。状況変わらず。うーんService MenuからDBKバックアップ&リストアじゃないとだめなのかなあ?
リセットから[OK]+ONでメンテナンスモードで起動し、ディスクチェックすると、なんとディスクエラーでした。メンテナンスカーネルで立ち上げなおしてfsckするとたしかに壊れています。そうだったか。
結局、第一パーティションをddしなおすと、それだけで何も問題なく起動しました。ホッ。

今回は事前にパーティションを切ったりしてから換装しましたけれど、手順としては、何の事前準備もなしにいきなり換装してしまって、メンテナンスカーネルで起動して区画を切り、オリジナルHDDをCFスロットに挿してddやcpやtarでコピーしても良いことが分かりました。バックアップ用媒体や母艦PC等が一切不要なのは安心感があります。


C3000写真
やっぱり広いっていいなあ。


文市の小箱茶室ケーキ小箱-C3000-[HDD換装]/ LX紅茶読書自転車好み他伝言板blog

文市(あやち)=青野宣昭