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吉野山の冬

輪行写真
雪の地蔵峠

近鉄特急

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朝05:05に目覚ましで起床。天気予報だけ確認、雨雲に覆われているも降水確率20%、行こう。サイクルジェージを着てEDDY MERCKX TEAM SCを持って玄関に下ります。忘れ物がありそうだけど、財布とPiTaPaとiPod nanoはあるからいいか。真っ暗な中、武庫川を渡って西宮市から尼崎市に入り、武庫川駅前で自転車を分解結束袋収納し、PiTaPaで改札にタッチしてホームに入ります。冷たい風。この時間は各駅停車しかありません。梅田行に乗り込み、福島まで輪行。阪神電車を下ります。JRへ乗り換えようとします。外に出てしまいました。JRはどこだ。前を歩く人に付いてしばらく歩いたものの、外れだったようで、橋に出てしまいました。たぶん反対だ。阪神電車の出口まで戻り、JRを探します。あった、けど新福島って書いてあるな。これって東西線だ。ようやく地図を見つけ、環状線の福島駅の位置が分かります。夜明け前、街灯たよりに歩いてようやくJR福島駅。PiTaPaでタッチして改札を入り、ホームに上がります。ここから天王寺まで環状線内回り輪行。天王寺に着くと、急行が出るところです。7時ちょうどの特急にしようと、時刻表を見ると、休日の吉野行特急の始発は07:10でした。ううむ、近鉄の時刻表欲しいよなあ、昨夜JTBの大判時刻表で確認したのは平日ダイヤだったか。私鉄時刻表関西版は一度も見たことがありません。東京出張に行ったとき買うしかないのかな。
近鉄あべの橋駅でさくらライナー特急券を買い、売店で飲物を買い、トイレに行って、ホームに上がります。近鉄特急だ。
近鉄は輪行しにくい車両設計です。乗る度思います。近鉄特急快適だけど、大きい荷物を持っている乗客への配慮が弱いです。どうせガラガラなんだから、荷物置き場やドアや通路にゆったりとした余裕を持たせて快適な旅を演出すれば良いのに。現状では自家用車やJALの方がはるかに快適と誰もが思ってしまうでしょう。旅をする人が何を快適と感じ、何を不便と感じて鉄道を利用しなくなっていくのか、マーケティングが弱いようにも感じます。休日の朝の特急がガラガラなのはさびしすぎです。こんな冬でも、テレビゲームやDVD観賞より旅の方が楽しいと思えるのに。


ケーブルカー輪行

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02/12/06 8:34:14 吉野で下車、雨です。ケーブルカーに乗ります。小さなケーブルカーに自転車を持ち込みます。お客は3人なのでスペースは余裕があります。花見シーズンにはケーブルカー輪行は無理、こんな冬の雨の朝ならではかもしれません。


吉野山

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02/12/06 8:54:50 山上は、雨が雪に変わりつつありました。
自転車を組み立てて出発。金峯山寺へのごく短い登りで疲れてしまいます。こりゃ下から登らなくて良かった。雨だし。というかもう雪になっています。


柿の葉すし「たつみ」

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ケーブルカー山上駅で降りてから2kmほどでしょうか、道の左手に小さな柿の葉すしの店「たつみ」を見つけ下車します。開いているっぽいけど誰もいない。覗いていると奥からおばさんが出てきます。



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「こんにちはー。やってますかー?」と言って店内に入ります。「どれにしましょう?」「ちっちゃいの、こんな」「一番小さいのですね」と、おもむろに柿の葉すしを作り始めます。一折り作ってもらう間、ぼーっと外を眺めると、雪は本降り、塔を背景にしきりに降っています。
「はい、850円です」「ありがとうございます」たつみの柿の葉すしをゲットして外に出ます。フロントに吊して再び出発です。


黒滝村

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桜の花見ならまっすぐ中千本上千本と登るところですけれど、合流点で右折できる道に入っていきます。黒滝方面です。



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細く広く移り変わる道を進みます。下りです。地蔵峠までは登りだと思っていたので、先々ちょっと心配です。ハンドルの前に吊した柿の葉すしを入れた袋に白い雪が積もっていきます。下って下ってから黒滝村に入っていきます。


地蔵トンネル

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02/12/06 9:44:08 地蔵トンネル前到着です。地蔵トンネルへの上り基調の道をこなしていくと、あっと言う間に地蔵トンネル前に着いてしまいました。ここでトンネルを抜けずに手前で左折し、旧道の地蔵峠を目指します。
旧道は薄く路面に雪が積もっています。車のタイヤ痕を辿りながら走ります。徐々に峠道、登りのくねくねとした道になっていきます。地蔵トンネルの説明に、難所のように書いていたので、意外にに走りやすい道に思えます。
だんだん坂が急になると、後輪が空転し出します。タイヤが滑って、漕いでも前に進まなくなってきます。慎重にゆっくり体重をかけながらクランクを回して進みます。雪の中に地蔵峠の休憩所が見えてきました。


地蔵峠

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02/12/06 10:00:11 地蔵峠にはお堂が建っています。昭和29年再建とありますが、もともとは空海が建てたお堂とのことです。



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お堂の向かいには、地蔵の名水があります。水場まで石段を上ってみると、凍り付いていました。たしかにここは寒いです。近鉄吉野駅前では、今日はあったかいなと思ったものですけれど、寒さで身体が震えます。雪は激しさを増して降り続いています。



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地蔵堂へのお参りを済ませ、自転車に乗ろうとすると、クリートが雪で詰まってペダルキャッチできません。バランスを取りながら下り坂を滑って下り始めます。やがて下り坂が急になると、乗車を続けることが困難になります。タイヤが滑って制御不能です。降りて押して行きます。自動車のタイヤ痕もこちら側にはないようです。白い世界の中を、ほっほっほっと自転車を押しながら駆けて下ります。靴底に分厚く雪が付着して、いい具合にクッションになっています。坂がゆるやかでまっすぐになると乗車、危なくなると押して駆ける、という具合で旧道の地蔵峠から地蔵トンネル出口の前まで下りきりました。


雪詰まり

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自動車が通る道に戻ったので、路面の雪は半分解けています。ここからは、川に沿って下り基調で西吉野まで走ります。
リアブレーキに雪が詰まっています。シューどころか、ブレーキ台座まで丸々雪の塊に埋もれています。リアディレイラーも付着した雪で丸くなっています。まともに変速できません。ブレーキも当然効きません。ゆっくりと走ります。



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吊橋の下をくぐり、黒滝・森物語村に入ってみます。御吉野の湯は午後一時からでした。それ以外は宿泊客向けのようです。 所々道を間違えながら、戻って西吉野への道を辿りつつ走ります。道の駅でトイレ休憩。寒い。足先が凍り付いたように冷えて、痛いです。雪がサングラスに積もり、視界を奪われます。サングラスの雪を拭いつつ走ります。



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丹生川上神社下社を見つけ、お参りします。水をまつった最古の神社とあります。御祭神は闇龗神(クラオカミノカミ)。延喜式の名神大社二十二社の一社だそうです。いのちの水(丹生の御食の井)が境内にあります。記帳し、拝殿に上がり参拝します。
広い道細い道と西への道を辿ります。下り基調なので身体が冷えます。早く風呂に入りたいな。やがて西吉野村の標識を見つけます。もう少し走れば津越への曲がり道だな。くねくねと走るうち、ようやく見覚えのある道に出ました。津越集落へと曲がります



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細い道を上ります。こんな坂だったかな、渓流を離れてからが勝負の急坂だったと覚えています。意外に進んでから、津越への急登が現れ、右折します。
たしかBD-1Cでも押そうかと思った坂です。とりあえずダンシングで登ってみます。ん、ん、案外登れるなあ。行けるとこまで行ってみよう。



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どんどん高度を上げていくと、対岸の山並みが白く見晴らせるようになります。いい道だなあ。景色は気持ちよく、坂はきつく。なんとか福寿草自生地説明板まで登り上げました。


福寿草の蕾

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02/12/06 12:37:07 自転車を道路脇に停め、手荷物とデジカメを持って山肌を登ります。雪で滑ります。慎重に登り、福寿草自生地に到着です。斜面は雪で覆われています。日当たりの良さそうな場所まで行ってみます。たしか去年はこの辺から咲き始めたはず。



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つぼみがあります。膨らみかけたつぼみもありますけれど、今日の雪を頭からかぶって開花はしていません。今日は寒いものなあ。まだか。上まで登ってみます。雪の中からつぼみがいくつも頭を出しています。開花はまだでした。
気温が上がれば、来週にでも咲くことでしょう。
自転車に戻ります。ここまで登って来るのに身体が温まっています。シューズの雪を落とし、坂を下ります。さあ温泉だ。



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見慣れた道を走って西吉野温泉きすみ館に行きます。きすみ館への急坂をダンシングで登ります。きすみ館到着です。


西吉野きすみ館

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何はともあれ、入浴して温まります。十分程度では、身体の芯に冷たいものが残り、冷えが抜けません。ゆっくりお湯につかります。窓の外は雪が降りしきっています。峠では粉雪だったのに、ボタン雪に変わってきています。これなら雨になるか、止むかもな。



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02/12/06 13:56:25 きすみ館の湯上がりに、休憩室で「たつみ」の柿の葉寿司を開きます。少し遅い昼食です。塩味の効いた鯖が旨いです。たまりません。
02/12/06 14:29:44 畳の上で身体を伸ばし長時間休憩。仰向けに、うつぶせに。窓の外の山肌は白く彩られて美しいです。去年まで、ここは西吉野村でした。今では、五條市に合併して五條市西吉野町になっているようです。
ゆっくり休んでから、出発です。
西吉野村のマスコットキャラだったカッキー君の看板は健在でした。五條市西吉野町に改められていました。


和歌山線運転休止

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02/12/06 15:10:27 五条駅到着。放送が流れています。運転休止です。がーん。そういえば和歌山線は日曜日中に運転休止になることがあるのでした。どーしよー。近鉄か南海で帰ろう。どっちかなあ。近鉄なら薬水駅で距離は近いだけど、上りです。南海だと薬水よりちょっと距離はあるけれど下り基調の道です。南海にしよう。
五条駅から国道24号線を西へ戻ります。国道168号を過ぎてさらに西へ。下りどころか、とんでもないアップダウンの多い道です。ひい。ロードでよかった、BD-1だとちょっときつすぎかも。五条駅から橋本駅まで10km弱を抜けて、ようやく輪行です。自転車を分解、輪行袋を広げるとドバトが一斉に飛び立ち、女子中学生がキャーキャー騒ぎます。去年も思ったけれど、何もない五条駅と違って、橋本駅はにぎやかです。南海なんば行き、次は急行のようです。690円の乗車券を買って改札を抜けます。車両の端に自転車を置き、iPod nanoにヘッドホンを差して曲をシャッフルします。


今日のルート

ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk60212.trk trk60212.zip 14,316bytes)をカシミール3Dで表示し、注記したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
距離は65.1km、移動時間3h44m、停止時間1h26m、最高速度62.1km/h、移動平均速度は17.4km/h、全体平均速度12.6km/h、総上昇量847mでした。
輪行写真


文市の小箱茶室ケーキ小箱LX紅茶読書[自転車]-[輪行142]/ 好み他伝言板リンク

文市(あやち)=青野宣昭