5時過ぎ起床。今の季節、朝5時半には日が昇ります。甲子園口から輪行。改札で青春18きっぷを出して「日付印お願いします」と言うと、奥から駅員さんが出てきます。しかしスタンプの日付が昨日のままのようです。戸棚から日付部品セットを出してきて、ピンセットで交換、青春18きっぷの二日目は7月27日となりました。
尼崎で福知山行き各駅停車に乗り換えます。運転席の後に陣取ったものの、適切な自転車置き場がありません。クロスシートとロングシートが混合したような車両クハ116-321です。4両編成は、座席がほぼ埋まっています。
今日は日本海側を目指します。舞鶴から小浜かな。泊まるか日帰りかも未定です。若狭湾を見ながら走り、「海のある奈良」小浜を目指す、ところまでは考えたのですが、輪行を併用してさらに東を目指すか、青春18きっぷを最大活用した日帰りプランにするかは現地を走ってみてから決めるつもりです。
今度の木曜-金曜は飯田線オフ、土曜-日曜は麦草峠アタック2002です。ぼくの夏休み本番です。
三田を過ぎると乗客が減りました。おにぎりを食べて朝食にします。一眠りすると、終点福知山でした。東舞鶴行き二両編成に乗り換えです。クモハ112-5807です。ボタンを押してドアを開け入ります。なんか網棚の上に後からとって付けたような冷房があります。
西舞鶴で降りてBD-1組み立て、五老岳を目指します。
五老岳への入口が分からず、コンビニで水を買うついでにちょっと地図を立ち読み。西舞鶴から近いつもりが、思ったより距離があります。
五老岳へ登りだしてからは坂のきつさに愕然とします。これはたまらん。頻繁に立ち止まって呼吸を整えながら、なんとか登頂、五老スカイタワーに到着です。シャツもズボンも汗でびっしょりです。舞鶴湾の眺めは素晴らしいです。本当に絵のような。決まりすぎているほどです。
東舞鶴港には軍艦が並んでいます。そうえばミリタリー風な乗客が横に乗っていました。
東舞鶴の自衛隊エリアを抜け、国道を走ります。歩道は切れ切れ、路肩は狭く、トラックが爆走してゆく国道はつらいです。
舞鶴から半島を越して海に出ます。海水浴場がいくつもいくつも並んでいます。
海岸沿いの若狭自転車道をなるべく走ります。海水浴場の真っ只中を抜けていきます。今日はさすがに超満員で、水着とパラソルがぎっしりと並んでいます。湘南や千葉の海みたいに混雑しています。違うのは海が綺麗なことでしょうか。
安土山公園を巻いて、ちっちゃな登りを制した後、青戸の入り江に沿って進みます。水は透明で穏やかです。
青戸の大橋を渡ると国道27号線に戻ってしまいます。岡津製塩遺跡の表示から、岬巡りの人気のない道になります。半分近畿自然歩道と一緒のような気もします。しかしこの海岸線の美しさは素晴らしいです。眼下はるかに見下ろす海は美しく透明で、岩礁と海底が見えます、小さな海岸に海遊びに来ている家族や点在しています。自転車道は一部破損していたりします。そうしていつの間にか、小浜公園までやってきました。
小浜の町なかに入ったのは14時過ぎです。お腹空いた。
魚松さんに入ってさしみ定食の(竹)をお願いします。(梅)なら700円ですが、朝おにぎり二つだけなので空腹です。元々魚屋さんらしいです。若ノ花、曙、寺尾などの色紙が見えます。靴を脱いでカウンターに座っていると、足先まで濡れていた全身の汗がひいていきます。
出てきた定食を見てびっくり、小さいとは言え舟盛りの刺身です。こんなごちそう昼間からいいんだろうかと恐縮してしまいます。
すっかり満足して出ると、外は恐ろしい猛暑の真っ最中です。ヘルメットかぶる気もおきないです。
へろへろと駅まで行きます。
駅構内のケーキ屋さん、パティスリーアルカンシェルに入り、シブスト、シャルロットポワール、巨砲のスープを頼みます。ドリンクはどれも350円ですがミルクティーにします。
シブスト、上半分おいしいです。シャルロットポワールになぜかみかんが乗っています。缶みかんみたいなのがふた切れ。ポワールちゃうんかい、とつぶやきつつ食べると、ビスキュイには洋酒が染みていて、みかんも意外に合っておいしいです。巨砲のジュレのようなものも、甘さが強いけれどおいしいです。
工夫していておいしいです。でもちょっと違う、という部分があるところがおちゃめで良い感じです。
よし追加を頼むぞとショーケースを覗きに行きます。あ、アプリコットのクリームブリュレ・・・え?あ、さっきの洋なしのシャルロットもちゃんとオレンジ沿えと書いてある。自覚して作っているのね。ふふふ。いや好きです、おいしいし。
南の国へという名前のフルーツのパンナコッタを頼みます。可愛いウェイトレスさんが運んできたものを一口、・・・小豆が乗っている。でも悪くない。さっきのシャルロットにもビスキュイ表面にゴマが見えて一瞬顔をしかめたけれど、悪影響は出ていませんでした。工夫がホームメード風で警戒してしまうけれど、最後のバランスの取り方が優れているのでしょう。どれも1歩間違うとゲテモノになるはずだから。
小浜は国宝巡りを考えていましたが、あまりの猛暑にへたっています。明通寺だけは見ないと。むー今日は日帰りにしておくかー。時刻表を何度も辿りながら考えます。泊まるなら小浜か敦賀ですが。うーん、あの混雑して恐い国道を福井まで走るのは魅力がないなあ。小浜をゆっくり巡るならいいけれど。それなら夕方までお場まで、北陸本線経由なら米原まで出ればなんとでもなるし。意外に近いなあ。
ケーキ四つの洋酒で酔っ払ってしまった頭でクラクラ考えます。
汗もひいたので、そろそろ「海のある奈良」小浜国宝巡り(のごく一部だけ)をはじめよう。
というか、今日中に戻るには、明通寺くらいしか見に行けないような感じです。
とりあえず東小浜まで移動します。東小浜駅前には9時-4時半ならレンタサイクルもあるようです。
駅の近くの県立若狭歴史民族資料館に行ってみました。小浜のパンフレットももらっておきます。国宝巡りはどうも一日がかりのコースのようなので、明通寺だけ行くことにします。でも国宝って明通寺の本堂と三重塔だけじゃないの?あとは重要文化財な気がしますが・・・。
体力が底を尽きています。7速でくるくる、くるくる回します。体力が尽きてからでも、フラットな道なら惰性で数十キロ走ることはできるはずです。国道をそれると明通寺までは地元の学生がランニングしているだけの静かな道になります。ほぼフラットで助かります。
明通寺の本堂の中では寺男が慣れた様子で説明してくれます。重要文化財の仏像は旧国宝だったようです。「国宝めぐり」って旧国宝巡りだったりして。
明通寺の本堂と三重塔は色あせて、でもしっかりした作りです。境内はなかなか良い雰囲気です。日が落ちていく中、時間があればしばらく居たい空間です。小浜国宝巡り、今度時間をとってやってみようか。でも海水浴の季節だけは外した方が良いな。冬かな。雪さえ降らなければ多少寒くても良いかも。三方五湖や敦賀、福井海岸も夏は避けよう。路肩の狭い国道を走るのは苦痛だから。
東小浜への帰りはあっという間でした。フラットなように見えても、下り基調なのでスピードがのります。平らな土地は田んぼ、あとは山。美しい光景です。稲作民族が生活している、土地です。
東小浜のホームでぼーっとします。小浜線はワンマンカーです。敦賀へ行き、長浜から米原、新快速というルートにのってしまえば帰りは早いはずです。もっとゆっくり来てもいい、もっとのんびりした汽車旅も、いいかな。
来週は麦草峠です。その後は、トレンクルか、自転車抜きで青春18きっぷを楽しもうか。そんな風にも、思います。
小浜線は三方にさしかかります。夕日は三方五湖の上に傾いています。車窓からの風景も美しいです。ああ、でもやっぱりこの鉄の箱を降りて、決められたレールの上だけでなく、もっと近づいて、風を感じてみたい。鉄路を進むのも、好きで、楽しいけれど、さらに一歩、駅を降りてその土地を見てみたい。
車窓は三方五湖の三方湖から菅湖、久々湖と移り変わっていきます。
海、急な隆起の山、丘。平らな場所には田。美しい土地です。原発や密航者や不審船のイメージとは大違いでした。
小浜線は、若狭の海岸と並行して越前方向へ走っていきます。敦賀に着いたら乗り換えて、山を越えて近江の国に行きます。地図で見るだけだった場所を運んでくれる鉄道は良いものです。間違っても全部自走する気にはなりません。鉄道と、自転車。どちらも必要不可欠です。
ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk0727.trk trk20727.zip 19,034bytes)をカシミール3Dで表示したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
距離は71.4km、移動平均速度は16.1km/h、移動時間4h26m、停止時間3h20m、最高速度45.9km/h、全体平均速度9.2km/hでした。