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バイクトレーラー

輪行写真

いざ、出動。


子供二人乗せ

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まだ自分で自転車の運転ができない乳幼児が二人に増えました。下の子の腰が据わったら、2台前提で、HAMAXを一つ増備すれば一緒に行けます。でも、一人で子供二人を乗せて自転車に乗ろうとしたら、どうでしょう。
なぜか日本独自の「幼児二人同乗用自転車」は、どれも走行性能が悪く、車重が異常に重く、しかも安価ではありません。スポーツ自転車で安全に速く快適に走行している身からすると、(これは何かが間違っている)という確信しか湧いてきませんでした。
ネタとして「幼児二人同乗用自転車」を試すのも惹かれましたけれど、買うのは構わないけれど、置き場所もなく、廃棄も大変なので、そのネタは塩漬けにしておき、バイクトレーラーを調達しました。
オランダなどに比べさほど自転車先進国とは聞いていなかったスイスでも、新婚旅行に行ったとき、自転車で安全に車道を走行する文化が根付いていることに衝撃を受けました。
日本は国土が狭く山が多いから道が狭く自転車走行帯を車道に確保できないのは仕方がないんだとか、自転車が車道を走るのは自動車の邪魔で危険だということが常識なのではなく、スカートにヘルメットにドロップハンドルの女性が疾走するのを妨げない自動車の走行マナーや、バイクトレーラーに子供を乗せて、楽しく不安もなく道路を走る親子の姿を見ると、単にそれが当たり前のこととして認めている大人の社会であれば良いのだと感じました。
これは経済の効率とのトレードオフとかどうとかではなく、意識が大人な社会かどうかだけでしょう。


組み立て

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今回調達したバイクトレーラーは、二人乗りで幅が88cmほどあります。車輪の外側にさらにアルミガードを装着できます。ガードを取り外しても75cmあり、小さなエレベータには乗れません。


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折り畳んだ状態でトレーラーだけ1階に持って下り、家の前の小公園で組み立てます。届いた時に一度組み立てを試したものの、すっかり忘れてしまっていて、時間が5-6分かかります。


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組み立ては簡単で、慣れれば3分もかからないでしょう。頑張れば1分未満で組み立てられそうですけれど、ひとつづつ確認しながら作業した方が確実と思い、ゆっくり組み立てます。


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なお、取り付け金具は、事前にBIKE FRIDAY Pocket Rocketの後輪に取り付けておきました。リアホイールのクイックを外して軸を抜いて、差し込んでから角度を合わせてクイックを締めるので、これは1-3分かかります。付けっぱなしにしておけば済みますけれど、取り付け金具の装着と組み立ての両方を行うと慣れても5分ほどかかると思います。
工具は一切不要です。非常に簡単に組立てできると言って良いと思います。


下り坂

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家の前に短い激坂があります。ここの下りが心配でしたけれど、全く問題なく下れます。不安はありません。この時点で、ホッとしました。操縦性はかなり良いです。BIKE FRIDAYのスーツケーストレーラーをひいて走った時と同様、荷物をひいていて走りが重いと感じたりすることはなく、ごく普通に走れます。


上り坂とカーブ

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近所の路地を試走します。甲南大学をぐるりと回るように走って、上り坂にきたとき、とたんに重さを感じます。トレーラー11kg+子供二人19kgで合計30kgの荷物をひいているわけです。上り坂だと、これがずっしり感じます。平地走行だと、ある程度巡航していると、むしろ後ろから押されている感じがしたりするくらいで、快適な走行感です。
上り坂で重いというのが、バイクトレーラーで二人乗せて走っていて単独走行と一番感覚が違う点でした。
次に気になった点は、幅が単独走行より左右に20cmほど増えるのですけれど、カーブしたときに、通れると思っていたポールに車輪外側のアルミガードが当たることが何度かありました。
狭い道路でも、Uターンができるようになっています。カーブしたときにイン側が単独走行とは異なった軌跡を描きます。4輪自動車がカーブするときのイン側後輪の軌跡が前輪より内側を通るのと同じです。自転車だと最初この車体感覚が分かりづらいため、たとえば二本のポールの間をカーブしながら抜けようとして、自転車が真ん中を通ってしまうと、トレーラーはイン側がポールに当たってしまいます。
直線走行しているときの走行感に違いがあまりない分、左右20cmだけだと思ってカーブしてしまうとミスが出ます。


ルート

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バイクトレーラーの試走でどこを走るかは、色々考えてルートの候補を出しておきました。住吉駅Seerの駐輪場までは安全で車通りも少ないルートがいくつかあるのが分かっています。まずは西岡本の桜を見に行きます。ここから住吉川を渡り、東灘区役所裏に抜けます。区役所裏へは歩道を横断するため、そこだけ降りて押します。
バイクトレーラーでは、自転車と違って歩道の走行ができません。もちろん、自転車も車道の走行が大原則なはずですけれど、自転車の車道走行を全く考慮していない道路設計も多く、自転車が歩道を走行することを前提に道路が作られていると、車道は非常に走りにくくなっていることがあります。自転車では、仕方なく一時的に歩道に上がって徐行することもありますけれど、バイクトレーラーではそうはいきません。
また、自動車の多い幹線道路では、内燃機関による4輪自動車と、バイクトレーラーをひいた自転車では、自ずと走行速度に差があり、スムースな道路の流れを阻害するような気がして、一回目のバイクトレーラー走行で試す気にはなれません。
まずは勝手知ったる車通りの少ない道で、バイクトレーラーをひいての走行感を確かめ、慣れておきたいと思いました。
Googleマップをさんざん見て悩んだ結果、自宅と住吉駅Seer駐輪場との往復のルートなら、安全に試せると確信が持てました。
そういうわけで住吉川を越えてみたところ、トレーラーに乗車した二人の子供は揃って気持ち良さそうに熟睡しているではありませんか。住吉で昼飯と思っていたのに、ちゃかゆき君まで寝てしまっていては彼が食いっぱぐれてしまいます。しばし相談し、住吉のロイヤルホストに入ることにします。


シュラッテンバッハ

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ファミレスで昼食と授乳を終え、岡本へ戻る道につきます。いつも自転車で通る最短距離ではなく、トレーラーをひいて走りやすそうな道を選んだ結果、なかなか行かないドイツパンの店、シュラッテンバッハの前の道を通ります。
これ幸いと、明日の朝食パンを調達します。シュラッテンバッハは、あまり日本ぽくない、ドイツパンのお店です。バイクトレーラーをひいたBIKE FRIDAY Pocket Rocketが良く似合います。


海へ

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机上の計画ルートではこのまま帰宅でしたけれど、せっかくだから好きに走ってみたいということになります。海を見にいくことにします。とは言え、机上の計画でGoogleマップとにらめっこしたときは、どうしても車通りの多い道を走らざるを得ず、危険なく走れるという確信が持てませんでした。
まずは、JRの線路の横を走り、摂津本山駅前まで戻ります。駅前を歩く人がだれもが振り返りバイクトレーラーを見ます。どうやら相当目立つようです。
道行く人の反応は、どれも好意的なものです。赤ん坊連れで自転車で走ると、まず最初に「あかちゃんがかわいそう」という、勘違いとしか思えない反応が多いのです。背負ったり、HAMAXに乗せたときに思い知りましたけれど、まず否定的な反応が出るようです。
実際色々ためして分かったのは、子供の方は快適なのですが、大人の方は大変です。小さな子の面倒をみつつ、自転車で走行するのですから、体力も使いますけれど、単独走行の何倍も気を使い、ちょっとむずかったらオムツを換え、授乳し、疲れていないか痛くなったりしていないか気を配り、帰宅することには疲れ果ててしまいます。だから、幼児と一緒に旅に出たり、自転車で一緒に出かけたりすることはなかなか大変なことで、なかなかできないことです。なかなかできないことをやっているのを見たときに、まず否定から入って、あかちゃんがかわいそうとか、痛いんじゃないかとか、否定的な理由を探そうとする傾向があるようです。
もちろん、小さな子供を実家に預けて、親が二人で出かけて楽しんでも良いとは思いますけれど、ぼくは、自転車に乗って出かけるのが楽しいので、まだ小さい子供でも、まずは一緒に行って、素晴らしい景色を見せてやりたいと思います。

自転車に乗って出かけるのは楽しく、その喜びを子供とも一緒に体験したいのです。

これが背負ったりHAMAXに乗せて走っていて否定的な反応があっても、決してやめたりしなかった理由ですけれど、バイクトレーラーの場合は、どうもまず否定から入らないようなのです。不思議なことですけれど、「なにあれ?」「人が乗ってる!」「かわいい」という反応がまず返ってきます。
そういえば、ぼくがスイスでバイクトレーラーに子供を乗せて走行しているのを初めて見たとき、それを危ないとは思いませんでした。「アレいい!」「なんで日本にないんだろう!?」と思ったのは、見た目不安定な感じがしないことも大きいのかもしれません。
幼児用座席を装着した自転車は、自転車が倒れたら乗っている幼児も一緒に倒れます。バイクトレーラーは、自転車が倒れてもトレーラーは倒れません。トレーラーは安定しているのです。
バイクトレーラーの安定性と安全性は、一目見ただけで誰もが分かるということなのでしょう。
周りの声に勇気づけられて、海へ向かうルートのうち、幹線道路を使わない走りやすい道を選んで走ります。
途中、緑色のtikitに声をかけられました。tikitは快走して芦屋浜方面へ行ってしまいました。こんなところでBIKE FRIDAYに乗っている人に会えるようになったんだなあ。
tikitを追うように芦屋浜へと走り、南芦屋浜の桜並木で休憩します。


輪行写真
今日はまさに桜が満開です。
打出浜で、海洋体育館のボートやヨットを眺めながら、休憩することにします。
ちーちゃんは授乳、ちゃかゆき君も目を覚まし、「うみ」「あちた(お魚のこと)」と言い、自分のデジカメで撮影を始めました。後で見たら、見事に海の景色を写真におさめていました。


輪行写真
風が吹くと寒いです。それでも海はいいものです。ちゃかゆき君が目の前に海を見たのは、去年の夏以来のはずです。日本語をしゃべるようになってからは、初めての海辺です。ウインドブレーカーを着せてからも、しばらくデジカメで撮影をして、やがて歩いてきて親二人の座る間に「いっしょ」と言って座ります。時々魚が跳ねたり、ウミウがエサ取りをするのを見ます。ヨットや、黄色いブイを差して「ふね」「きいろ」と叫びます。
今年は須磨水族園の屋上から海をみたことはありますが、ここまで間近に海を見ていませんでした。バイクトレーラーでよく眠って元気を取り戻した二歳児は、目をみはって海を見ています。


輪行写真
来て良かった。ちーちゃんが生まれてから、ちゃかゆき君は以前ほど色々連れ出して本物を見せる機会が減っていました。

夏には、自分の手で海水に触れるよう、また一緒に海に行く計画を立てよう。



夕食と買い物
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しばし海を眺めてから、香櫨園浜のバリ風カフェレストランに移動して夕食にします。


輪行写真
走り慣れた道を辿って岡本まで戻ります。岡本のグルメシティで買い物をします。駐輪場の停められるところが限られますけれど、空きスペースに入れられました。周りからは大注目です。

安全運転で、走行しているバイクトレーラーをもっと皆に見てもらい、バイクトレーラーが走っているのが当たり前の道にして、お互いに安全に快適に走行したいと思います。

自転車通勤大集団の国や、ベトナムみたいにオートバイばかりたくさん走っている国、あるいは自動車がたくさん走って渋滞している国もあります。

成熟した社会では、トラックも、自動車も、オートバイも、自転車も、バイクトレーラーも、もしかしたら馬車や電気自動車やセグウェイのような立ち乗りスクーターも、それぞれ車道を走って、お互い他者を認めるようになるのでしょう。
車道をセパレートしなければいけないとか、歩行者は歩道橋を渡らなければいけないとか、それだけが解決策ではなく、利用者の意識次第で、今の道路の幅でももっと快適になるような気がします。


今日のルート

残念ながらGPSを使っていなかったので、ログはありません。

文市の小箱茶室ケーキ小箱LX紅茶読書[自転車]-[輪行190]/ 好み他伝言板blog

文市(あやち)=青野宣昭