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天浜トロッコ

輪行写真


前日夜

天竜浜名湖線のトロッコに乗る話を聞き、前夜にべあさんに電話して参加希望を伝えます。Shioさんはもう掛川に入っているそうで、無理にトロッコの予約をもう一枚とってもらいました。
目覚まし時計を4:55にセットします。最近夢中なLinux Zaurus SL-A300をいじっているうちに夜中を回ってしまいます。ターミナル開いて普通にbashが走ってPerlが使えるのです。手のひらというか、指二本に乗るような大きさ重さのSL-A300で。mp3も256MBのSDにFIVAのカードスロットで適当にコピーしておき、madplay /mnt/card/mp3/jam/*.mp3のようにフォルダ単位で好みに再生できます。プレイリストをGUIで操作するよりはるかに楽で早いです。コマンドを打つのはソフトキーボードからですけれど、bashの履歴やTAB補完機能のおかげで全く面倒がありません。まさに極楽環境です。


出発

目覚ましを無意識のうちに止め二度寝しかけて、なんとか起きます。おにぎりを一つ食べ、ネット自動巡回。5:27の阪神電車は厳しいので、5:49の阪神電車で梅田に出ることにします。外は真っ暗で、夜明けを迎えるところです。天気予報では今週末は雨模様です。自転車を持って行くべきか手ぶらで行くべきか。でも、自転車を持って出るのはもはや習慣のようなもので、持って行かないということが出来そうもありません。いつでもどこでも持ち歩きするのが当たり前になってしまいました。走れないかもしれないので、軽量で輪行時に取り回しの良いトレンクルを持って出ることにします。


掛川

さすがに5時台だと乗った各駅停車でそのまま梅田まで行くしかないようです。大阪駅桜橋口の自動販売機で掛川までの乗車券と新幹線自由席特急券を買います。ひかり204号の5号車の一番後ろにトレンクルを置き、近くに座ります。
関西は朝日がさして、穏やかな天気です。関ヶ原はいつものように雨が降りガスにけぶっています。名古屋の天気を見てから今日午後の行動予定をたてようかと思います。
浜松で降り、こだまに乗り換えます。これで掛川8:30到着することができます。掛川のホームでべあさんと合流し、改札を抜けて天竜浜名湖線の表示に従い外を歩きます。天浜線の小さな小さな掛川駅舎でShioさんは既に待っていました。


天竜浜名湖線

輪行写真
掛川から新所原へのみちくさ切符とトロッコ乗車券を受け取ります。掛川から新所原は普通に買うと1280円なのに、途中下車できるみちくさ切符はなぜか80円安い1200円です。乗り放題のフリー切符はまた別で1800円だそうで、みちくさ切符は順路に沿って進むというものです。トロッコ乗車券は400円で、これは指定席券ではないようです。席は自由ということなのでしょう。
Busheさんも合流したので、予定より一本早く9時の天浜線でトロッコ始発の遠州森駅まで移動することになりました。
トレンクルを置くスペースがちゃんとあります。意外に乗客がどんどん乗って来て、席はほぼ埋まってしまいました。天浜線も、掛川からしばらくはそれなりに乗客があるようです。
遠州森駅で降りて、しばらくトロッコを待つことになります。天浜線はトイレが色々面白いらしいです。遠州森駅のトイレは、外観は普通でも、中に入ると、天井の金網の上が吹き抜けて、さわやかな木の香りがします。


輪行写真
ビールの自動販売機がないのでトレンクルを展開してちょっと探しに行って来ます。戻ると、トロッコが入る時間です。


トロッコそよかぜ号

輪行写真
トロッコに入ると、自転車設置スペースがあります。6台までは、そのまま自転車を乗せられるそうです。260円払えば、トロッコに自転車をそのまま持ち込んで、降りてそのまま走りだせるようになっています。素晴らしいです。他の鉄道会社でもどんどん真似して欲しいところです。
乗客は他に家族連れが1-2組いるだけで、ほとんど貸し切り状態です。夏休みも終わり近く、そろそろ夏休みの宿題にかからねばならない時期なのかもしれません。
トロッコの座席は小さな木製テーブルがついた、木製のクロスシートです。一人1ボックスずつ贅沢に占領して乗ります。小さな木のテーブルが小学校の教室を思い起こします。なんか良い感じ。
トロッコの車内では、なんと冷たい缶ビールを売っていました。クーラーボックスが運転席の後ろに置いてあります。


輪行写真
面白いのは、大きなトロッコサブレです。トロッコを形どっています。思わず買ってしまいます。ハーブクッキーを売っているので、そちらも当然ゲットします。サブレとクッキーをつまみに、缶ビールを一本飲みます。ハーブクッキーは爽やかで美味しいです。


輪行写真
天浜線のトロッコは、とても気持ち良いです。天気予報では雨だったのに、空は曇りから薄日がさすほどです。外の匂いがそのまま伝わって来ます。草の香り、笹の香り、茶畑の香り、河原のバーベキューの匂いや線路際のうなぎ屋の蒲焼の匂いまで。
トロッコ、最高です。来て良かった。
所々、3分ほど停車していきます。Shioさんはたばこを吸いに、べあさんはIXY DIGITALで写真を撮りに降ります。Busheさんはクラカメです。駅ごとのトイレは工夫が凝らされています。


輪行写真
天竜川を渡り、走って行きます。意外に山道です。しかも線路はとてもガタガタしていて、運転席の横から見ていても、まっすぐでなく、歪んでいるのが良くわかります。
フルーツパークの辺りはアップダウンがあり、下りはまるで花やしきのジェットコースターに乗っているような怖さがあります。
ビールですっかり酔っ払って、座席に倒れ込んで寝込んでしまいました。
トロッコはいつしか浜名湖の北側に沿って走っているようです。トロッコ終点の三ヶ日の駅へと着きます。


三ヶ日

輪行写真
三ヶ日の駅構内で、竹細工の店があります。竹細工の昆虫などが展示され、竹笛などが売られています。奥では工房で竹を裂いている人がいます。
蟹の竹細工組み立てキット150円を買います。
駅から徒歩で3分ほどのショッピングセンターの一角に、「有須」という和食の店があると教えてもらい、うなぎを喰いに行きます。入ると、カキフライが美味しそうです。
入口脇のテーブルに座り、メニューを眺めます。美味しそう。値段は高いです。ずいぶん迷って、姫街道という税込2000円の定食を頼みます。Busheさんはカキフライ定食、べあさんはカキフライ定食と蒲焼、Shioさんは蒲焼と生ビールです。
しばらくすると、座敷が空いたからと奥に通されました。広い座敷を四人で占領して、のんびりします。Shioさんの蒲焼が運ばれてきました。ちゃんと頭付きです。これがうなぎ一匹なんだなあ、と眺めます。
姫街道定食は、蒲焼と茶そば、エビフライに酢の物、そしてあんみつのついた定食です。もちろんあんこが苦手なShioさんにあんみつホレホレ攻撃をするのが目的です。
食べ終えると、すっかり満腹です。Shioさんから、奥浜名湖はサイクリンロードがあると教えてもらいます。おお、走りたい!Busheさんによると、天気予報は朝晩雨だそうですけれど、曇り空は明るくなっていっています。


猪鼻湖一周サイクリング

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ぼくはトレンクルでぐるっと猪鼻湖を回って、三人とは三ヶ日の二つ先の尾奈駅で合流することにします。べあさんのThnkPad S30のプロアトラスを見せてもらい、だいたいの見当をつけて出発です。
瀬戸の入口までは快適で、あっという間でした。ところが途中でサイクリングロードが切れています。その周辺は、別荘地が開発され、道路は迷路のようになっている上、どの道も行き止まりです。しかも坂ばかり。湖西の標識を頼りに抜けられると思って進むと自転車進入禁止になっていたりして、難儀します。ぐるぐる迷いまくった末、結局根元まで戻り、奥浜名湖でなく浜名湖の湖岸側まで行って一般道を進みます。


輪行写真
瀬戸のあたりはリゾート地のようになっています。信号で交互に通行する狭い橋を渡り、遊歩道に入ります。ここからはサイクリングコースはありません。ロードの人達が走って行きました。トレンクルなので、遊歩道から歩道へ進み、のんびり北上して行きます。線路が見えてきました。尾奈の駅を探しながら進んで行ったのに、駅が見つかりません。時間があるので三ヶ日まで一周してしまうことにします。
三ヶ日の駅でトレンクルを折り畳むと、座敷でまったりしていた一行と無事合流できました。


静岡へ

輪行写真
新所原に向かいます。今日は静岡でZEAKさんと合流してビアチムニーということです。トレンクルで一走りして満足。皆に着いて行きます。JRに乗り換えると、東海道線浜松行きはずいぶん混んでいます。通勤電車並です。さらに浜松で沼津行きに乗り換えようとすると、なんとぎゅうぎゅう詰めで乗れません。どころか、ホームに人が溢れていて、こぼれそうな程です。時刻表通りの運行のようだし、どうなっているのやら驚きです。後で教えてもらったところによると、掛川の方にあるエコパとかいう所で、SMAPのコンサートがあるそうです。この異常な混雑はそのためだったようです。
たまらず、新幹線でショートカットすることにします。丁度もうすぐこだまが到着する時刻です。新幹線ホームに急ぎます。
新幹線でゆっくり座り、あっと言う間に静岡に着いてしまいました。新幹線って便利だなあ。
Shioさんは掛川で降りて、車を取りに行きました。今夜は静岡のステーションホテルに宿を予約したそうです。明日は大井川鉄道だそうです。
ここまできたら毒を喰らわば皿までと、静岡のチムニーで一緒に飲んで宿をとることにします。べあさんが静岡のホテルを調べてあったので、まずはカプセルホテルを探すことにします。ウェブの情報だと、このカプセルホテルはもうなくなったという話らしいとのことで、地図の場所に行ってみることにします。本当にありませんでした。近くのワシントンホテルに飛び込みで入ると、空きがあり、そのままシングル6500円+朝食700円でチェックインしてしまいます。


静岡

荷物を置いて、Busheさんと静岡の繁華街のカメラ屋を目指すことにします。静岡駅からの地下道を三人で歩いていると、ガシャポンなどのコレクターズアイテムの店があり、当然入ってみます。色々なジャンルのアイテムが所狭しと並んでいます。べあさんがガラスケースに並んでいたかあいいワンフェスのボトルキャップをゲットしています。
ガラスケース展示品はちょっと値が張るので、店頭のあずまんが大王2のガシャポンを一カプセル回してみます。神楽が出ました。
すっかりその店にはまっている間に、ZEAKさんから連絡があったようです。外に出て連絡をとると、もうトップカメラに着いてしまったとのこと、あわてて移動します。
ZEAKさんと合流し、トップカメラの2階を見に行きます。ジャンクワゴンや、ガラスケースの中古品を眺めます。TC-1やTC-1Black,G1,G2,等々並んでいます。そういえば最近銀塩で撮っていないなあ。Optioとギガエナジーの組み合わせで、十分実用的な範囲で電池が保つので、すっかりデジカメに移行してしまっています。
べあさんがワゴンからLXにぴったりなポーチを掘り出して買いました。店を出て早速試すと、本当にぴったりです。
おもちゃ屋をひやかしながら駅に戻ります。静岡のおもちゃ屋はなんだかとってもマニアックです。
駅では掛川から軽自動車で移動してきてホテルにチェックインしたShioさんが待っていました。5人揃ったところで、チムニーを目指します。駅近くのガード下のチムニーは、店名が変わっていました。看板にはチムニーグループと書いてあります。
皆はピッチャーでビールに行ったので、ぼくはブラッドオレンジジュースを頼みます。つまみもチムニーと同じメニューが多くあります。
携帯やカメラや・・・Shioさんの乗り鉄話で盛り上がります。いや乗り鉄おそるべし、何万円もの乗車券、特急券は14万円の話に唖然茫然。夜はふけていきました・・・。


今日のルート

ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk0824.trk trk20824.zip 4,779bytes)をカシミール3Dで表示したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
距離は16.6km、移動平均速度は19.2km/h、移動時間0h52m、停止時間0h11m、最高速度38.0km/h、全体平均速度15.6km/hでした。
輪行写真


翌日の大井川鉄道

輪行写真
翌日は、ホテルで朝食後、Shioさんの車に乗せてもらい、軽とは思えないような運転で新金谷まで行きます。10:00金谷発のSL急行千頭行きの指定席券と乗車券を購入します。大井川鉄道は、古い客車車両があり、走っている車両も実に様々です。走る列車博物館の様相です。SLも7台保有しているそうです。
SLの客車は、網棚がパイプでなく本当の網棚で、トレンクルが安全にすっぽり乗ります。これは素晴らしい。昨日の天浜線トロッコ列車とうってかわって5両の客車はほぼ満員です。新金谷まで大型バスで来たツアー客が団体で新金谷のホームに溢れ返っていました。
車内放送では観光案内をしゃべりまくり、歌まで歌っています。なんかすごい。窓を全開にして、広い大井川の河原に沿った景色を楽しみます。茶畑が山の急斜面まで伸びていたりします。楽しいSLの旅ですが、トンネルが多いので、煤煙が沢山舞い込んできます。トンネルに入るたびに、Shioさんとべあさんが息を合わせてブラインドを下げます。それでもShioさんは煤煙でジャリジャリになってしまいました。


輪行写真
千頭でSLを降り、大井川鉄道井川線に乗り換えです。ツアー客と家族連れの多くはここで折り返しのようです。


輪行写真
トレンクルとバッグをコインロッカーに詰め込み、弁当を買って乗り込みます。井川線はとても小さな、遊園地のおもちゃのような車両です。一両だけトロッコ車両があるので、べあさんとShioさんにその席を確保していてもらいました。早速乗り込んだ二人を見習ったか、トロッコ車両だけは満員です。椅子が固いので、鉄じゃない人にはつらいような 気もするのですが。
弁当は川根茶付きで、なかなか豪勢な内容でした。走り始めたので早速平らげます。
広大だった河原も徐々に狭まってきています。井川線は終始崖っぷちを走る、曲芸のような線路でした。トロッコ車両なので、足元はすぐに崖で、いつ崩れるかと思ってしまうほどです。強烈です。よくこんな所に線路を敷いたものです。


輪行写真
長島ダムの手前で、アプト気動車を後ろに連結します。これは歯車付きの気動車だそうで、確かに二本のレールの間には歯車がはまるようなギザギザの溝レールが設置されています。この区間だけは電化されているそうです。アプトで坂をぐんぐんスムースに登って行きます。なんと90パーミルだそうです。うわ凄い。このアプト区間は実は新しく、1990年開通だそうです。長島ダム建設のため旧線路が水没するために設けられたそうです。


輪行写真
アプト区間はあっと言う間に終わってしまいました。今登って来た坂道を振り返ると、たしかに急な坂道です。
長島ダムの接岨湖では、カヌー競技の大会リハーサルが行なわれているのが眺められました。千頭から1時間ちょっとで、接岨峡温泉到着です。


輪行写真
駅前に温泉がありますが、ここは冷泉で20度くらいとのことなので、川を渡って温泉会館に行くことにします。ぼくが青春18きっぷで今日中に戻るのに合わせてプランを立ててもらい、ここでは1時間半ほどの余裕があります。温泉は700円ですが、休憩料と合わせた1000円にします。洗い場で身体と頭を洗い、煤煙を落とします。小さな温泉会館の浴槽は混んでいます。風呂から上がってビールです。コップ一杯飲んでバタンキュー、すっかり眠ってしまいました。眼を覚ますと、千頭までタクシーで帰ることになっていました。車だと20分程度で戻れるそうで、ゆっくりすることになります。もう一寝入りしてから、もう一度空いた温泉に入りに行きます。二度目の温泉はとても気持ち良いです。身体が溶けてしまいそう。
千頭でトレンクルを回収し、帰途に着きます。Shioさんは新金谷に停めておいた車で大宮まで帰るので、天浜線トロッコはぜひ来年もやろうと話し、新金谷でお別れとなりました。その後、べあさんにJRで名古屋まで付き添ってもらい、東海道線を青春18きっぷで戻って行きました。名古屋ではすぐに来た新快速で米原に向かいます。これで甲子園口には真夜中の12時を回る前にたどり着けるはずです。
結局、天浜線トロッコオフは翌日の大井川鉄道の接岨峡温泉までフルコース堪能しました。雨には全く降られず、とても楽しめました。二日間鉄道に沢山乗った疲れで眠くなっています。

文市の小箱茶室ケーキ小箱LX紅茶読書[自転車]-[輪行31]/ 好み他伝言板リンク

文市(あやち)=青野宣昭