文市の小箱茶室
/ケーキ
/小箱
/LX
/紅茶
/読書
/[自転車]-[輪行85]\
好み他\
伝言板\
リンク\
●御柱祭
誤記訂正しました。(大社中→社中)れんやさん、ありがとうございます。(4/18/2004)
下諏訪
松本7:21富士見行で下諏訪に輪行移動。松本の駅弁屋は閉まっていました。今日一日の食料は昨日中津川で買った和菓子だけというのも心許ないですけれど、人込みで弁当を広げる余裕もないのではないかと予想されます。今日は諏訪大社御柱祭、山出しの最終日、下社の木落し残り3本です。
何十万人の人出というけれど、下諏訪にそんな人間が入る余裕があるのかと疑問が湧きます。見終わった後温泉くらい入りたいけれど、児湯とかは満員かも。湖畔の湯辺りに出れば入れるかな。そもそも駅から自転車で移動できるのだろうか。
下諏訪の駅から降りると、祭りムードはあるものの、まだ8時前のためか、人は少ないです。トレンクルを展開して車道を走ります。歩行者と違う道を走るので人は少ないです。春宮の前を左に曲がり、万治の石仏のさらに先へ進み、3本先まで行ってから右折して登ります。社中の駐車場は満車との案内放送が流れています。社中の前まで進み、自転車を停めるスペースがないかおじさんに尋ねると、駐車場の横に停めるよう指示されました。自転車はここまでにして、ここから徒歩で進みます。
木落し坂
社中からまっすぐ下りず、沢の湯の裏手の山道を先まで歩きます。「近道」と書いてありましたけれど、案内のおじさんに聞くと、距離は一緒で山道だと答えてくれました。確かにあまりメリットはないかもしれません。
車道と合流します。車道と言っても今日は歩行者専用になっています。法被を着た人達が連れ立って歩いて行きます。屋台がずらりと並んでいます。案内所の横の仮設トイレで用を足し、案内所で一般はどちらに進むか尋ねます。広い道を行けば良いようです。
進んで行くと、右手に木落とし坂が広がります。ここ?ここを落ちて来るのか?
崖、としか言いようのない場所です。
観覧席
通路に立ち止まってはいけないようです。案内の人に聞くと、川の向こうが予約席、川の手前が一般自由席だそうです。なんで遠いほうが予約なんだろう。
河原まで下り、空きスペースを探してうろうろ。坂の下まで行くと、返って見辛いことがわかりました。なるほどなるほど。後ろまで戻って座り込みます。一番後ろだけど、角度的には見やすくて良い場所です。
汗がひいて寒くなってきたので長袖シャツを着、ジャンパーを羽織ります。hp100LXを取り出してぷちぷち。
ふと気づくと、自分の後ろにもびっしり観客が座っています。そしてまだまだ人は続いています。
春宮二の御柱
9時半過ぎ、早くも引き手の先頭が木落し坂の上に現れました。引綱は左右に列が分かれます。木遣りの声は河原までよく通ります。
予定では、11時に春宮二の御柱の木落しです。今回、春宮二の御柱は岡谷市長地の氏子に引かれているそうです。引き手はかなり多いです。先頭が国道まで下りても、まだ御柱は坂の上に姿を現しません。
木遣りがひびくと、掛け声とともに列が進みます。人力で十数トンの御柱を引いているわけです。
10時40分頃、花火の音がして、セレモニーが始まります。木遣り隊が動いているのが見えます。河原を埋め尽くした観客の方を向き、一斉に掛け声を上げて見栄を切ります。
「祝 御柱岡谷市」
「長地の男魂!!」
「祝 春宮二之御柱」
垂幕が上から下に下りてきます。春宮二の御柱担当の岡谷市長地の氏子のセレモニーは15分ほど続きました。
セレモニーが終わると、掛け声と共に引綱が見えるようになってきます。やがて左右に人が分かれ、木落し坂は広く空けられます。氏子も法被姿でなく、黄色と赤、下は黒の人達が増え、緊張感が高まってきます。
木鑓の声が聞こえます。激しい掛け声が聞こえてカメラをかまえると、一気に人が動き、土煙りを巻き上げて御柱が落ちます。やや斜めに春宮二の御柱は落ちました。
秋宮三の御柱
一本落ちると、自由席の観客は一部帰る人が出ます。少し前に進んで席を替わります。じりじりと照りつける太陽、今日は4月11日とは思えないほど暖かいです。
昼飯代わりに中津川の和菓子を口にします。朴葉の香りに少しリフレッシュ。幕間にやまびこ太鼓が打たれ、お祭気分を盛り上げます。
一本目は後ろの席だと木落し坂の一番上が見えないことが分かりました。川に近い側の方が見やすいのでしょう。
正午前になって、様々な地区の旗を持った人が下りて来ます。午後の秋宮三の御柱と秋宮一の御柱は、下諏訪町の各地区を中心にした氏子による曳航です。
正午を回ると、引綱の先頭が見えてきました。予定では13時木落しですけれど、木遣り衆の姿はまだ見えません。
「山の神様ー」可愛らしい子供の木遣りが観客席でパフォーマンス。そうこうするうちに引綱の先頭は国道まで下りてきます。
坂の上でおんべが揺れています。木遣りの甲高い声が通り、ずるずるずると列が動きます。進み過ぎないように、笛で合図してすぐに動きを止めます。速く進み過ぎると、木が落ちなくても転んで怪我人続出しそうな急坂です。坂と言うより崖で、自転車では登れないし、歩いて登るのもときどき手を付かないと危ないくらいです。引綱は少しずつ、引かれていきます。
迷子の放送があります。これだけ人が来ている割には混乱は最小限です。東京などでは考えられませんけれど、地元の祭りだからでしょう。
「お願いだー」
木遣りが聞こえると、それを合図に御柱は進みます。何と言っているかはほとんど分かりませんけれど、独特の節回しの甲高い声は遠く河原までも聞こえます。木遣りの声がひびき、おんべが移動します。御柱が近づいているのでしょう。
13時を回り、片側の引綱が横に移動して木落し坂の真ん中を空けます。御柱の落ちる道の上に列ができてしまっていたためです。
秋宮三の御柱の木落しを前に、ブラスバンドの演奏が始まります。曳航担当地区の氏子によって木落し前の見栄の切り方は様々なのでしょう。
引き手はぎりぎりまで両脇によけます。カラーボールを転がすパフォーマンスに観客から笑いが上がります。
「祝 ようこそ神々の里へ 悠久の浪漫 秋三御柱」の巨大な幕が坂を下ります。白い着物姿で塩撒きをしている人が坂の途中で転んで爆笑の渦になります。
赤い服の梃子の衆が下り、ピンクの服の一隊が下りた後、垂れ幕が来ます。人が歩く度に、斜面の急さが分かります。
木遣りの声がひびき、掛け声が上がります。国道には救急車がスタンバイしています。緊張が高まります。
掛け声と共に引綱を引きます。おんべが風に揺れています。
人が動きます。土ぼこりを巻き上げて御柱が走ります。思わず歓声。今度ははっきり見えます。太い御柱の先端が走っています。御柱に乗っていた人達が振り落とされます。危ない。
凄い、というか、こりゃ人死にが出ても不思議じゃないわ。数秒の出来事だけれど、恐ろしい祭りです。
秋宮一の御柱
席が空いたので前に進んで見やすい位置に座ります。確保できたので、仮設トイレに並びます。秋宮三の御柱の木落しは小一時間遅れました。落してから30分ほどは、帰りたくても帰路は通行止めになるようです。
ふと手を見ると、日焼けしています。きっと顔も真っ赤に焼けているんでしょう。最後の御柱は遅れているようで、木落し予定時間の15時近くになっても引綱も見えません。
15時、露払いのように木遣り隊の木遣り歌がひびきます。ようやく、諏訪大社下社秋宮一の御柱の引綱の先頭が木落し坂を下りて来ました。
午前の春宮二の御柱が目通り周囲2.67m、午後の秋宮三の御柱が目通り周囲2.68m、そしてこれから落とす秋宮一の御柱は目通り周囲3.34mと巨大です。上社本宮一の御柱が目通り周囲3.00mですから、諏訪大社で一番大きい御柱です。
木遣りの声がひびき、掛け声と共に引綱が引かれます。
予定時間より大分遅れています。秋宮三の御柱のときは、一度動くと10mほどで止まっていましたけれど、今回はかなりの距離を引きます。そうは言っても危険な木落し坂なので、転ぶ人がいるとすかさず笛が鳴って止めます。引綱もなかなか左右に分かれて引けません。一の御柱は重いせいかもしれません。沢山の人数が引綱に取り付いて迫力が増しています。一気に進もうとすると、転ぶ人が続出して危ないです。転ぶと倒れるだけでなく転がり落ちかねないので、そのたび観客がどよめきます。引綱を放して倒れてしまうと止まろうとしてもずるずると滑り落ちます。
引き手の人数が多いせいか、一度動き出すと勢いがついてしまいます。見るからに危ないです。木落し坂が引き手の人で埋まっていきます。御柱はまだまだ姿を見せないのに土ぼこりが舞います。
16時を回ると晴れていた空は曇って徐々に冷えて来ます。風が出てきました。ジャンパーを着込みます。
オレンジの服の引き手が次々見えてきます。木遣りと掛け声が続きます。渾身の力をふりしぼって引いているのが見えます。引綱がピンと張ります。なかなか秋宮一の御柱は動いていないようです。
16時35分過ぎに、先の引綱の人々がようやく左右に分かれます。近づいているのでしょう。オレンジの服の引き手が激しく綱を引きます。木遣りも精一杯声を上げます。
17時、ようやくセレモニーが始まります。
掛け声とともに垂れ幕などが下りてきます。木遣り歌が次々響きます。引き手が拳を振り上げて気勢を上げます。
梃子衆が下りてきます。途中で転ぶ人が出て観客が湧きます。木遣りと木遣りの合間の掛け声は続きます。
秋宮一の御柱はブラスバンドやカラーボールのようなお遊びはないようで、本気を感じさせます。
木遣りが声を張り上げ、激しい掛け声とともに引き手が躍動します。
そして、綱が切られ、人が勢いをつけて移動します。観客がどっと湧き、御柱は坂を激しく走ります。巨きい。
秋宮一の御柱は巨体を下まで滑らせます。氏子が激しく動きます。御柱は氏子に覆われて落ちました。
国道曳航
帰れなくなるのが心配で、すぐに席を立って国道まで上ります。間近に見上げる木落し坂はひどく急な斜面です。斜めに坂に残る御柱を梃子衆が調整し、氏子が引綱を回して方向転換します。国道曳航に入るまで一般観客は通行止めです。
木遣りの声が聞こえます。甲高いから皆女性かと思いきや、おじさんがほとんどです。
「力を~合わせて~」
木遣りには、若い女性もいます。
「お願いだ~」
近くで聞いても良い声です。甲高い、良く通る声と独特の節回しに聞き惚れます。木遣りに続いてよいしょよいしょと曳航が始まります。
通行停止が解除され、御柱の横を歩いて帰路につきます。秋宮一の御柱はとてつもなく太いです。氏子が御柱に乗っています。どの男も格好いいです。
御柱を通り過ぎても延々引綱が続きます。前の方では小さな子供もひいています。本当に地元の祭り。
秋宮一の御柱は予定時間より2時間半以上遅れて木落しになりました。やはりこれだけ大きく重いからでしょう。前の二本は引き手が引いただけ動いていましたけれど、秋宮一の御柱は必死に引いても容易に動かない感じでした。
18時を回っています。御柱と別れ、帰路を急ぐことにします。
児湯
社中の前まで急いで歩きます。一般客の中ではかなり前の方にいるはずですけれど、抜かしても抜かしても人がいます。法被姿からして、下諏訪町の氏子のようです。
橋を渡り、沢の湯の看板を目印に右折して坂を上ります。一越えして、来るときと同じ道に戻り、下だっていきます。社中前に停めてあったトレンクルを出して乗り込みます。交通整理のおばさんに一方通行路の道順を聞き、発進です。
坂を下る下る、一気に下ります。国道20号まで一気に下りてしまいました。御柱帰りの人はわずかしか見かけなくなります。温泉に寄ろう。20号沿いに一軒あったな、菅野温泉も近いな、と思いつつ、気づくと児湯への道を走り、セブンイレブンの前の坂を上っていました。児湯の正確な位置をよく覚えていないのですけれど、身体が勝手に覚えていて、すぐに遊泉ハウス児湯に到着です。
児湯はまだ空いています。服を脱いでいるうちに、氏子がどやどやと入ってきます。混む前にと、お湯をあびて誰も入っていない浴槽に身体を鎮めます。手の甲が日焼けして、ひりひりと痛いです。暖まり、洗い場で軽くこすって、もう一度少しだけ入ります。カラスの行水でさっぱりして出てきてしまいます。入れ違いに続々とお客さんが入っていきます。
秋宮の前を通り、駅への道をトレンクルで軽く駆け抜けます。自転車は便利、あっという間に下諏訪駅到着です。
帰途
3月号時刻表では19時51分まで塩尻に出る列車はないはずでしたけれど、臨時の御柱号という各駅が松本まで走っているようです。切符は買ってあるので、改札に入り、向かいのホームに渡ります。
臨時列車で塩尻まで移動したものの、指定券を押さえてあるしなの26号まで一時間ほど時間があります。駅そば、駅の売店、駅弁売り場はすっかり閉まっています。途中下車で改札を抜け、外に食料探しに出ます。駅の階段を下りたところにそば屋があります。一応駅前を一回りうろうろしてみます。店は少ないです。駅前の建物にいくつかお店が入っています。その他はラーメン屋一軒とさびれたビジネスホテル、まんが喫茶一軒くらいしか見当たりません。駅前の建物に戻り、定食と喫茶の店に入ります。しょうが焼き定食を頼みます。空腹を満たしてから塩尻駅に戻り、自動販売機のコーヒーをゆっくり飲んでからホームに戻ります。
中央西線、しなの26号の指定席はまだだいぶ余裕がある感じです。トレンクルを車両の一番後ろに置いて、座席に座ります。これから、しなの-のぞみと乗り継いで甲子園口まで帰ります。頭の中はまだ絶えることなく木遣りが響いています。御柱の余韻から醒めません。
眠れそうもないので、バッグからhp100LXを取り出してぷちぷち。輪行記を綴ります。
今日のルート
ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk40411.trk trk40411.zip 2,431bytes)をカシミール3Dで表示し、注記したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
この二日間での、
距離は23.0km、移動平均速度は13.1km/h、移動時間1h45m、停止時間1h36m、全体平均速度6.8km/h、最高速度30.7km/h、総上昇量278mでした。
文市の小箱茶室
\ケーキ
\小箱
\LX
\紅茶
\読書
\[自転車]-[輪行85]/
好み他/
伝言板/
リンク/
文市(あやち)=青野宣昭