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乗鞍岳

輪行写真


輪行写真
美鈴荘で朝食をいただき、出発です。早めに行動しないと松本までバスで戻れなくなりそうです。あのトンネルを自走するのは嫌です。
朝から登り坂を走って観光センター前バス停まで行きます。湯けむり館やふるさとむらエコー乗鞍、観光案内所に自然保護センターのある乗鞍高原中心地です。飲料を十分補給しておきます。全日本マウンテンサイクリングin乗鞍ではここがスタート地点になります。遥か遠くに茶色く乗鞍岳が眺められます。時計を見ると7時37分。さあ、乗鞍ヒルクライムに出発です。


前半

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国民休暇村の自販機でコーヒーを飲みます。一応、飲料をさらに一本追加しておきます。国民休暇村まではまだ乗鞍高原の中でしょう。さくさく先へ進みます。マイカー規制が行われるのは三本滝より上なので、この辺りはまだマイカーが走っています。バスは自転車をきれいに避けて走って行くのに、マイカーの運転は危ない感じです。
すでに十分坂道ですけれど、あまりペースを落とし過ぎずに走ります。ギアは一枚残して走ります。坂がゆるやかになり平地だとシフトアップして距離を稼ぐように走ります。三本滝の手前でロードのおにいさんが「こんにちは」と爽やかに声をかけてすいっと抜いて行きます。挨拶を返しますけれど、とてもついて行けそうもないのでヘタレはヘタレのペースで進むようにします。三本滝にはレストランなどもあるようですけれど、ロードを追って休まず先へ進みます。
スキーのリフトらしきものが見えます。ああ、あれに乗せてくれないかな~、おさんぽくるくる的にはおっけーなんだけれど。ふと上を見ると崖の上の方としか見えない位置に道路が通っているようです。あそこまで登るのかな。というか、乗鞍岳の茶色の山肌の所まで最終的に登るはずです。遥か遠く、遥か上です。
ちょっと距離があるなあ、まああまり先のことは考えても仕方ないので今走っている坂を登ることに気持ちを集中しよう。


中盤

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いつのまにかリフトの上まで登り上げています。昨日からさんざん登り坂ばかり走っているので、あまり苦にならなくなっているかもしれません。水分をこまめに取ることだけ注意して走って行きます。
GPSを見ると道が九十九折に続いているところに近づいているようです。斜度がきついです。ギアをローまで落とし、少しゆるやかになったら2速にして走っていきます。きつい。水を一本飲み切ったのを区切りに下車します。写真を撮り、赤飯万十を二個ほど補給食にして食べます。水分をとります。乗鞍岳はずっと遠いです。
あまり休憩に時間を取られないように走りだします。九十九折に入ると、カーブの所がコンクリート舗装になっていて荒れています。斜度も変にきつくて走り辛い場所です。この辺りが一番斜度があるようです。
しかしきつい。今日は畳平まで自転車で登り、あわよくば徒歩で剣ヶ峰までと思っていたのですけれど、とにかく完走を第一に考えないといけないかもしれません。なるべくゆっくり走るように気をつけます。 コンクリ地帯を抜けると道路が良くなります。新島々から乗鞍高原までの道は地獄の穴ぼこ路面トンネルの連続でしたけれど、乗鞍高原から乗鞍岳畳平までの道路はよく整備されていて自転車にも最適です。
何より、景色が素晴らしいです。今日は快晴、どこまでも見晴らせます。眼下に今登って来た九十九折がくねくねと見えています。最高のコースです。

終盤

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森林限界でしょうか、周囲には潅木しかなくなってきます。雪渓があります。九十九折を過ぎて、坂はゆるやかになりました。シフトアップして回そうとするのですけれど、すぐに息が上がってしまいます。激しく呼吸をしているのに、息苦しい感じで、身体が前に進みません。



輪行写真
中盤に無理せず体力を温存した分ここで追い込みたい気持ちはあるのに、ヘロヘロで車体が左右にふらふらしている始末です。茶色い山肌が露出し、さえぎるものがなくなったため、だいぶ前に抜いて行ったバスが上を走っているのが見えます。あそこまで登らなきゃいけないのか。チャンピオンクラスの人達はここでアタックして時速30km/hとかで行くんだろうなあ。時速5km/hで走りながら思います。



輪行写真
水場があります。止まらず走ります。茶色い山肌に押し潰されそうです。ふらふらしていると、向かいからロードのお兄さんが下りて来て、「あともうちょっと!」と声をかけてくれます。「こんにちは、ありがとうございます」と返事して、クランクを回します。少し元気が出て来ました。クランクを一定の速度で回しているとスピードが出て来て、シフトアップします。もうちょっとだ、もうちょっとだ。…もうちょっとってあとどのくらいなんだよう!


畳平

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カーブを曲がって少し行くと視界が開け、登山者が沢山見えて来ました。おお。すぐに長野県と岐阜県の県境の標識に到着です。ゴーール!タイムは2時間50分ほどでした。
観光客でにぎわうバス駐車場まで回ります。チップトイレで用を足し、食堂に入って山菜そばを頼みます。少し早い昼食です。



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ウインドブレーカと長ズボンを出して装着します。標高2700m、けっこう風は冷たいです。GPSの電源は切っておきます。さて、ここから剣ヶ峰まで登山です。


コロナ観測所

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登山道の入口に自転車進入禁止の標識があります。手前にBD-1Cを停め、徒歩で歩きだします。auはつながります。
なにも考えずに登っていると、白いドームのコロナ観測所で行き止まりになりました。道を間違えたようです。がびーん。こっちが剣ヶ峰じゃないのか。今登って来た急坂を下ると、見にくい角度で山頂への案内板がありました。こっちかー。


蚕玉岳

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平坦路を肩の小屋まで歩きます。ここから剣ヶ峰までガレ場の急坂です。男子中学1年生の遠足か何かか、人が溢れています。登山道を登ります。腰と脚が鉛のように重いです。足を早めようとしても呼吸が苦しく、無理はできそうもありません。早足はやめて、淡々と登ることにします。景色は素晴らしいのですけれど、なかなか辛い登りです。自転車で乗鞍ヒルクライムやった直後に来る道じゃないな。乗鞍高原から畳平を自転車で走るのは万人におすすめですけれど、剣ヶ峰登山オプションはあまりおすすめではないでしょう。
どうやら頂上が目の前のようです。頂上!?と思ったら違います。さらに道は急坂となって本当の剣ヶ峰山頂まで続いています。思わず「まだあるのか!」とつぶやいてしまいます。前を歩いていた小さな女の子は同じように思ったのか、さらに上のある道を見つめて硬直しています。ここ蚕玉岳で終わりにしてしまうと、2979m、三千メートルに足りません。とにかく足を前に動かします。


剣ヶ峰

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急なガレ場を登り、左側の道をたどり、ついに頂上です。神社が裏表にあります。岐阜側の神社の前のポールを見て、標高3026m、ついに三千メートルを超えたことを知ります。参拝して道中無事をお祈りします。


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晴れ渡って絶景です。先程の偽頂上、蚕玉岳まで戻り赤飯万十を食べます。喉を通すのが苦しい。だいぶ身体を痛め付けたからかな。一個だけにして、下山を開始します。


ダウンヒル

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肩の小屋まで大勢の中学生に囲まれながらやっとの思いで戻ります。中学生軍団は無理やり追い抜いては目の前で立ち止まるので危なくて仕方がありませんでした。肩の小屋が中学1年軍団の集合場所だったらしく、ここから駐輪した場所までは人が少なく歩きやすいです。
無事BD-1Cまで戻ります。SL-C760で国民休暇村-新島々バスの時刻を確認し、14:01に一本あることを知ります。予定より一本早いけどこれに乗れるかな。
舗装路ダウンヒル開始。すぐ下の水場に着き水を汲み、そこから一気に下り切ります。すごい景色が前後左右に転回します。空は青空、空気は爽やか。
ぼくは下りはスピードを出せないので、バスに間に合うか微妙なところです。バス停まで下ると、もうバスが停車していました。発車まであと一分。運転手に声をかけ、折り畳んだ自転車を横の収納に入れさせてもらいます。乗り込んで爆睡。目覚めた時、危険なトンネルも見事な運転で切り抜けて行くのを見て、バスが正解だなと心から思いました。
無事新島々まで下山し、松本電鉄で松本に戻ります。


おきな堂

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松本の街をなんとなく一周します。老舗の洋食おきな堂に入ってポークソテー定食を頼みます。肉食おう肉。
ポークソテーがじゅうじゅういいながら出て来ました。ぶ厚い!こんなに厚いポークソテーは初めて見ました。すごいなあ。スープもおいしく、満足です。


MIYUKIDO

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隣のケーキ屋さんに入り、デザートにします。ジュレ・クランベリーと紅茶を頼みます。


松本ホテル花月

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松本ホテル花月に予約してあります。乗鞍から何時に下りられるか分からなかったので安全策です。松本民芸家具が使われているというホテルですけれど、シングルで安い部屋があったので予約しました。
チェックインすると、部屋まで案内してくれます。ツイン部屋のシングル利用で、立派な家具にちょっとビビります。いつも安宿専門なのです。風呂は地下の大浴場に入りました。
身体を洗って、改めて身体の調子がおかしいのに気づきます。日に焼けて頭や顔が熱をもち、異様に疲れています。普段の日にこんな体調だったらまず病気になったと思うでしょう。今日は心当たりあり過ぎです。無理せずバタンキューします。


今日のルート

ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk40802.trk trk40802.zip 17,221bytes)をカシミール3Dで表示し、注記したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
GPSによると距離は41.5km、移動平均速度は11.6km/h、移動時間3h34m、停止時間0h44m、最高速度43.5km/h、全体平均速度9.6km/h、総上昇量1246mでした。
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文市の小箱茶室ケーキ小箱LX紅茶読書[自転車]-[輪行100]/ 好み他伝言板リンク

文市(あやち)=青野宣昭