文市の小箱茶室
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Link:2006/07/15 04 あかつき
Link:2006/07/15 06 こっとい
Link:2006/07/15 07 角島大橋
Link:2006/07/15 10 阿川
Link:2006/07/15 10 棚田
Link:2006/07/15 11 青海島
Link:2006/07/15 12 活イカ
Link:2006/07/15 14 金子みすゞ記念館
Link:2006/07/15 15 長門
寝台特急あかつきのB寝台上段で寝転がっていると、車掌さんが起こしに来てくれました。あと5分してiPAQ hw6510のアラームが鳴ったら着替えようと思っていたのですけれど、せっかくなので起床して服を着ます。W44Tのアラームを鳴る前にオフにします。こっちは鳴っちゃうとうるさい。服を着るとhw6510がやさしく鳴ります。爆睡していたらこれじゃおきられないかも。今日は眠りが浅くて何度も目が覚めたのでこれだけでも十分でしょうけれど、W44Tは念のためです。
下関駅ホームの洗面台で顔を洗います。星が綺麗です。持参したハウネベーヤーのパンで朝食にします。山陰本線長門ゆきの始発は0545、一時間半ほどの余裕があります。
Link:2006/07/15 長門ゆき
下関のホームで待つのに飽いて、0526小串行に乗車します。車内でW44Tで音楽を聴きながらうとうとします。
目覚めると川棚温泉のホームが目に入ります。瓦そば食べてみたいな。次の終点小串で降り、トイレの後、外に出て海を見に行きます。澄んだ水。ああここは本当に。
長門ゆきが来るまでのんびり時間をつぶします。フナムシたくさん。
ホームに戻ると、下関行と行き違いらしく高校生が2ー3人います。入線してきた長門ゆきに乗車します。
地元の学生さんが数グループ乗っているくらいです。自転車も余裕を持って座席に立てかけておけます。今日はLー220輪行袋にしてみました。両ホイールを入れるポケットが付いているタイプで、3カ所でバンド留めしなくても一本で済むので、荷造り時間を短縮できます。超軽量L-100輪行袋より畳んだときに大きくなるのが欠点ですけれど、ボトルケージに入るので邪魔にはなりません。収納時にかかる時間の多くはエンド金具の組立なので、エンド金具を折り畳んでいなければ、5分以内に輪行袋に収納できそうです。
下関-長門間の山陰本線の風情は良いものです。深緑の丘、緑の田、碧い海、澄んだ空。
切符は特牛まで買いました。あかつきの車掌さんが検札のとき「こっといって読むんですよね」と嬉しそうでした。有名な難読駅名なのでしょうか、今度鉄な人に聞いてみよう。
長門ゆきは0702に特牛に到着しました。朝のうちに走れるのが嬉しいです。
Link:2006/07/15 長門ゆき
角島大橋を渡ります。
海!
東京生まれの東京育ちのぼくの海の概念を破壊し尽くす角島の海の色!
ぼくの知るなかで、本州で一番美しい海です。
Link:2006/07/15 長門ゆき
阿川を通り、油谷へ走ります。
今日は晴れています。ロードなので楽です。ゆかいな気持ちで進んでいきます。
阿川で踏切が鳴っています。黄色い山陰本線の車両が通り過ぎます。降りて写真を撮っていると、今日は暑いとよく分かります。
前回BD-1Cで来たときのように角島に入らなかったので、全く疲れはありません。それでも、あの厳しい半島の山を見ると、行くかどうか躊躇してしまいます。
Link:2006/07/15 長門ゆき
揚貴妃の里への看板を左折します。
北へと半島へ入っていきます。
川尻岬はパスし、棚田へ向かいます。道を迷って違う坂を上がってしまいます。そちらの棚田を眺めてから引き返し、竜宮の潮吹方面の細い道へと進みます。
前回感動した景色が再現します。所々休耕田が目立つのが気になります。
それでも、ここ津黄の景色は最高です。
澄み切った青い日本海、海へ落ちる急な斜面を覆うように作られた棚田。その緑と青のコントラスト。強い日差しと白い雲。気持ち良い空気。
本当に素晴らしい光景です。これを見に来ました。
棚田を堪能したので、竜宮の潮吹には降りず、山を越えます。前回は地獄のようなというか、意識飛びかける厳しさでしたけれど、今日はロードです。割と淡々と登って切り通しの峠を越えました。
どんどん降りて、国道まで。国道に出たところで自動販売機を捜し、水分補給します。半島の途中で買った水はボトルの中でお湯に変わっています。首筋と背中にかけて、冷たい麦茶を買って飲みます。熱中症になるほど無理はしていませんけれど、これだけ暑いので、ちょっと座って麦茶を飲みます。
ここから国道を東へ、長門を目指して走ります。今日のゴールは長門と決めています。
Link:2006/07/15 長門ゆき
青海大橋をわたってみます。地図を見ると道路が一周していないようです。見所は、海上から船で見られます。
青海島遊覧船乗り場まで走ります。丁度青海島一周遊覧船臨時便が出るところです。乗船券とジュースを買って乗り込みます。
青海島の南面仙崎湾は静かな瀬戸ですけれど、西、北、東は日本海の荒波に削られ、海上アルプスとも呼ばれているそうです。
一千戸約4100人の島だそうです。周囲40km、北長門海岸国定公園の中心部にあります。
遊覧船は狭い洞内に入ったりしながら回ります。窓は自由に開けて良いので、しぶきがかかってなかなか気持ち良いです。
Link:2006/07/15 長門ゆき
小型の遊覧船で1時間半を楽しんだ後、昼食にします。
道路を渡ると何軒か仙崎海鮮の食事処があります。
喜楽というお店に入ります。活いか膳というのを頼みます。甘いイカです。ゲソは塩焼きにしてもらいます。
活イカがこんなにおいしいとは知りませんでした。
Link:2006/07/15 長門ゆき
念願の金子みすゞ記念館に行きました。
前回時間が遅く閉館していました。仙崎の町は、みすゞの詩がそこここに掛けられており、その中の一つの詩に惹かれました。
今日は自筆のその詩の写真でできた絵葉書を買いました。
「私と小鳥と鈴と」
私が両手をひろげても、
お空はちつとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のやうに、
地面(ぢべた)を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
金子文栄堂の二階に上がると、再現された金子みすゞの部屋があります。前に座って、風に吹かれながらしばらくぼんやりします。
記念館ではあちらこちらにみすゞの詩が掲げられています。
「不思議」
私は不思議でたまらない、
黒い雲からふる雨が、
銀にひかっていることが。
私は不思議でたまらない、
青い桑の葉たべている、
蚕が白くなることが。
私は不思議でたまらない、
たれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。
私は不思議でたまらない、
誰にきいても笑ってて、
あたりまえだ、ということが。
記念館の奥で映像上映中でした。金子みすゞの生涯をその詩で振り返っています。
女学校時代、40分の道のりを毎日なるたけ一人で歩いたそうです。お話を考えながら歩きたかったそうで、同級生と会ってしまうと朝の挨拶をしないといけないので、一人で校門まで歩きたかったそうです。
母が後妻に入った下関の書店、上山文栄堂の商品館の小さな支店の店番となり、大好きな本に囲まれ、短い幸せな生活を送ります。童謡を書いて雑誌「童話」に投稿するようになり、「童話」の西條八十から『若き詩人中の巨星』とまで言われるようになりました。
大正15年の日本童謡集に、北原白秋、西條八十、野口雨情、三木露風、竹久夢二、泉鏡花、若山牧水らと共に、女性の詩人としてただ一人選ばれ、「大漁」「お魚」が載りました。
上山文栄堂の手代格の男性と結婚しましたが、相手に恵まれず、童謡を書くことを、さらに投稿仲間との文通まで禁じられてしまいます。愛娘の言葉を手帳に書き留めることだけが楽しみだったといいます。
遊郭通いの夫から病気を移され、離婚を決意、離婚して愛娘を育てる生活を始めたものの、元夫が娘を連れに来ることになり、戸籍上は既に母でない彼女は、その日、自殺しました。
童謡詩人の矢崎節夫氏が、岩波文庫の日本童謡集に載っていた「大漁」に衝撃を受け、みすゞ探しの旅を始めました。みすゞの実弟上山雅輔氏にたどりつき、みすゞの三冊の自筆童謡集を手にしたときから、現在の金子みすゞの再発見は始まったのです。
「花の名まえ」
御本のなかにゃ、たくさんの、
花の名まえがあるけれど、
私はその花知らないの。
町でみるのは、人、くるま、
海には舟と波ばかり。
いつも港はさみしいの。
花屋かごに、おりおりは、
きれいな花をみるけれど、
私はその名を知らないの。
母さんにきいても、母さんも、
町にいるから、知らないの。
いつも私はさみしいの。
寝かせばねむる、人形も、
御本も、まりも、みなすてて、
いま、いま、私は、行きたいの。
ひろい田舎の野を駈けて、
いろんな花の名を知って、
みんなお友だちになれるなら。
Link:2006/07/15 長門ゆき
記念館を出ると、仙崎の町を進み、金子みすゞのお墓に行ってみます。
手を合わせ、仙崎を後にします。
今日の終着地は長門。JR西日本の長門市駅です。
汗びっしょりかいています。自転車を輪行袋に入れます。予報では明日明後日は雨、新幹線で戻ることにします。
Link:2006/07/15 長門ゆき
今日のルート
ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk60715.trk trk60715.zip 18,169bytes)をカシミール3Dで表示し、注記したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
距離は71.8km、移動時間3h32m、停止時間3h43m、最高速度56.8km/h、移動平均速度は20.2km/h、全体平均速度9.9km/h、総上昇量945mでした。
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文市(あやち)=青野宣昭