BL-MLの麦草峠アタック2002に参加してきました。
たまたま、前々日は飯田線のトロッコファミリー号の旅で、下諏訪の山王閣に泊まっていました。そのため、前日は諏訪湖をのんびり一周して、上諏訪のビジネスホテルにもう一泊しました。
当日朝、集合場所まではれんやさんの車に乗せてもらいます。上諏訪から茅野まで行く途中にコンビニに寄ってもらい、ペットボトル入りの水を準備します。
茅野駅に着いても、それらしき集団が見当たりません。トイレに行った後捜しながら一回りすると、3人ほど小径車を組み立てている人が居ます。きっとこれにちがいない。近づいて挨拶します。れんやさんはUK BROMPTONで来ていたので、「BROMPTONで行くんですか?」と突っ込みが入ります。
須藤さんやkeiさん、いっとくさんと順に挨拶しているうちに、あずさが到着して皆が降りてきました。「おのさんチコク〜!」と声があがります。寝坊したらしいです。だいぶ遅れるので、おのさんを見捨てて出発することになりました。
9時40分になって、ミキさんが吉田信生さんと二人で仮幹事となり、自己紹介が始まりました。みなさん強者といった感じです。全員を確実に覚えることができませんでした。自転車に乗った姿と、降りて立っている姿にギャップがあります。走っていると、後姿と自転車だけで、顔が見えないのです。それにしても、BDシリーズ主体の小径車ばかりとう集団が長い列を作って茅野の街を走っていくのはなんか凄い光景です。小径車の関係のツーリングは初めてなので、自分が怪しい集団の一員になったような気がして不思議な心持ちがします。
東京ではBD-1は頻繁に見かけるそうですが、兵庫県の田舎道を走っていて小径車に会うことはありません。武庫川サイクリングロードあたりで何台かすれ違ったことがある程度です。しかも、麦草峠に来ている方のBDシリーズは、どれもチューニングや改造が施されているようです。BDシリーズ以外も、竹本さんのMR-4Fはいつ見てもかっこいいですし、いっとくさんのアマンダは既成品とは違った風格があります。
9時50分、平野さんも揃って、幹事のおのさん以外全員集合しました。予定通りに吉田信生さん先頭で走り始めます。まだ街中ですけれど、なんかいきなり登り坂です。速度がとてもゆっくりしているのが救いです。先頭の吉田信生さんは時々後方を確認してちぎれてたら少し待ちながら進みます。駅の近くで道路が合流・枝分かれを繰り返していて、信号でどうしても列が途切れてしまいます。分かりにくい道で一度では覚えられそうもありません。今日は20人近い大人数です。車に乗っている人が追い抜くときに振り返って見ています。
茅野駅から15分ほど走ると、デイリーヤマザキがあり、ここで休憩となります。皆食料や飲料を調達しています。500mlの紙パックのコーヒー牛乳を買って飲みました。平野さんのお話では、天気予報では夜の9時から雨で、それまでは曇りだそうです。12分ほど休憩してから出発です。
出発してしばらく進むと、ちょっとだけ下り気味になっています。ずっとのぼりじゃなかったのかな。あ、でも、そもそもまだここは茅野を出ていないということなのかもしれないな、などと思いながら進んでいきます。初めてのツーリングで緊張しているなあ、と自分で思います。
吉田信生さんは時々後続を確認しながら走ります。大人数のツーリングを先頭で引っ張るのは気を使うので大変だろうな、と思います。
たかさんがパンクとの声が後からかかります。修理するので先に行っていて欲しいとのことです。「たかさんなら大丈夫でしょう」ということで、先に行くことになりました。
街中を出ると、回りに畑が広がるようになりました。道端には綺麗な花が咲いています。メルヘン街道の標識があります。いいところだなあ。前方に山が見え、さらに彼方にアルプスかなにかなのでしょうか、とても高い山が連なって見えています。良い景色を走れていい感じです。そうしてなにか楽しい気持ちで走っていると、吉田信生さんが、「ちなみに今日行くのはあの山です」と指差します。彼方の高い山です。愕然。あんなの山じゃないか。だいたい、30kmの距離には見えません。100kmくらい離れているように見えます。なんだかとんでもないことをしているような。本当に登れるんだろうか。ちょっと不安になります。
それにしても、このあたりの田園風景は素晴らしいです。コンビニからしばらくは少しの上りとゆるい上り風味の平らな道を交互に走り、工場や住宅のある町中を抜けてしまいました。そうすると前方に八ヶ岳、周囲は一面平らな畑が広がる、とても素敵な景色になります。ここで上りはとぎれて、数百mは平らな道を走ります。来てよかったなあ。本当に素晴らしいサイクリングのための道だなあ。
デイリーヤマザキから30分走って、道が左に曲がって小さな川(渋川)を渡ります。糸萱大橋のようです。橋を渡った道の左脇にすこしスペースのある場所で休憩となります。
農家のおじさんに、今日の紅一点、美人の@nak(た)さんが話しかけられます。麦草峠に行くと話すと、おじさんに「上まで登るなんて、あんたたちの半分は死ぬよ」などと脅されます。地元の方から見ても、やっぱりどうやら無茶な挑戦に見えるようです。
今日はとにかく日差しが厳しく、暑い一日です。日陰のない、直射日光の当たる道をずっと走っているので、水分補給は大事です。ごくごく水を飲みます。
先月からだと思いますが、ぼくのBD-1CのBBの辺りが、こいでいるとカタカタと音をたてるようになっていました。上っていても、一回転ごとにカタついてきれいにクルクル回せません。keiさんに見ていただくと、BBが緩んでいるとのことでした。危険なので、専用の工具を使ってきちんと締めないといけないそうです。ぼくは自転車に詳しくないので、輪行で手荒に扱って壊れたのかなーくらいにしか考えていませんでした。帰ったら近所の自転車屋で見てもらわなくちゃ。
約12分休憩して11時を回ったところで、たかさんが追いついてきました。無事パンク修理は終わっているようです。出発です。
ここからちょっと登り坂を登ります。ギアは一番ローに落としました。全体のスピードがとても遅いので楽です。
10分も走っていないうちに、休憩となりました。7分ほどしか移動していません。ここまでの道は実は比較的平坦で、この先は登り坂になるそうです。・・・十分上ったと思っていたのでちょっとショックでした。ここまでのペースは非常に遅く、時間の割に全然距離がでていない感じです。もう少しスピードを上げた方が楽かもしれないと思います。
「15分に出発です」休憩のときには、吉田信生さんが最初に出発時刻を言ってくれるので助かります。休憩時間はとても長く、5分以上、場所によっては10分以上休むので汗が冷えて冷たくなります。大人数の先頭近くを走っているので、どうしても休憩時間が長めになってしまします。後ろの方を走った方が休憩時間が短くてよいかもしれません。こんなに大人数で一緒に走るのは初めての経験で、どうにもペースがつかめないままです。一人で走るときは、十数分ごとに1-3分の短い休憩で息を整えながらのペースでした。
10分弱の休憩の後、再度出発すると、今までのゆるやかなカーブと違って、くねくねとカーブの多い上り坂が続き、高原のリゾート地っぽくなってきます。
坂はそれまでと比べ急になっています。1速から3速で走ります。速度が非常に遅くて合わせにくいです。もっと下のギアがないとくるくる回しながら遅いペースで進むのがつらいです。ついつい追い抜きそうになるのを抑えて走ります。
でも、速度が遅いのでとても楽です。いつもは十数分ごとに立ち止まって息を整えないと登り続けられないのですけれど、特に休む必要なく進んでいけます。
左右にレストランや喫茶店があり、なんだかおいしそうな店があります。うー、麦草峠なんて後回しにして食べ歩きがしたいなあ。茅野からこの辺りまで倍くらいの速度で走って、この辺りでお茶するというのもよいかもしれません。
大きな売店のような場所で休憩となりました。ここから先は一本道で、迷うことはないそうです。おのさんはまだ姿を見せません。
吉田信生さんが少なくともゲートではおのさんを待つつもりで計画をたてようとすると、ミキさんが一瞬で却下しました。全く待つつもりはないようです。たしかに朝、雨雲が山の辺りにかかっていたし、天気予報でも夜は雨ということでした。
この休憩場所はトイレもあり、売店も色々売っていて便利です。すこしのんびりした気持ちになります。
ここからは道を間違える心配もないので、先に行きたい人は先に、ということになり、いっとくさんがサッサと出発しました。@nak(た)さんも、凄いスピードで行ってしまいました。は、速い。
ちょっと迷いましたが、そのうち、こぐさんが出発したので後を追うことにしました。7−8分の休憩でした。
こぐさんはペースがとても安定していて、後に付いて走るととても楽なのです。ずっとこぐさんの後について走ると、くるくるくるくる回して、急な坂もゆるやかな坂も時速7.5kmで進んでいきます。ペダリングが全く乱れないので後に付いていて恐い思いをする心配がありません。
しばらく走って、道の横で少しだけ休憩をとっていると、おのさんがとうとう追いついてきました。は、速い!次のあずさは1時間以上後だって聞いていたのに。後ろから順番に全員に謝って回っているそうです。
おのさんはいっとくさんを追ってさらに先へとすっとんで行ってしまいました。
@nakさん方もどんどん先へ行ってしまっています。みんな元気だなあ。
休憩を終え、走り始めます。今度は自分のペースで走ってみようと、少しスピードを上げます。今までゆっくり走って楽だったのに比べると、やっぱり呼吸がつらいです。
そうか、今まで登り坂を分不相応なペースで走っていたからすぐに息がきれたんだ、と思い当たります。
道の周囲は山の中になってきて、所々に木陰もあります。炎天下を走ってきていたので、これは嬉しいです。
それにしても、ずっと登りというのは、休めなくてしんどいです。アップダウンがあれば、下りのときに休んで息を整えられるのに、麦草峠への道はただひたすらに登りです。@nak(あ)さん、@nak(た)さん、桑原さんに付いて登るようにします。追い抜いてしまって前にでると相当にしんどいです。
「しんどいよー」「もう登りはいいよ〜」とか叫びながら走っているうちに、keiさんが立って待っているところに到着しました。何やら、こちらを向いてデジカメで写真を撮っているようです。keiさんが立っている場所まで行ったら休憩しようと思い、目標地点のkeiさんを見つめて走っていると、keiさんの横に立っていた青いPocket Rocketがゆっくりと道の向こうに倒れて転がり落ちてしまいました。でもkeiさんは落ちつきはらって、ロバート・キャパのようにカメラを離しませんでした。
keiさんの待っていた場所までたどり着くと、黄色と黒のしま模様のゲートがあります。
「これがゲートですか?」「そうです」
あれ、もうゲート?という感じでした。ずーっと登り坂ばかりですが、ここまで激坂というか、斜度のきつい坂はないようです。
冬季封鎖ゲートの前で、全員が揃うのを待ちます。といっても、いっとくさんの姿は見えず、先に行ってしまったようです。
汗びっしょりなので、Tシャツを脱いで絞ると、水がジャーと流れました。冷えて寒くなってきました。なかなか全員が集まらず、待ってる間けっこう寒かったので、長袖シャツを重ね着しました。自転車で峠を登っていて、休憩時や下りに汗でお腹を冷やして青くなってトイレに駆け込んだことが何度かあります。おのさんの注意に従って、重ね着できるように持ってきて良かった。
すぐにゲートに到着していた@nakさんはおのさんの到着を待ちきれず、先行して走り始めます。元気だなあ。
全員揃ったところで、さあここからアタックです。前半、最後尾を守ってくれていたミキさんが走りだしたくてうずうずしているようです。
スタートの掛け声で走り始めたミキさんを追いかけてびっくり、信じられないような猛スピードで上がって行きます。に、にんげんじゃない・・・。ホントにサイボーグなんだ・・・。
100mも追っかけたらもう心臓がバクバクいってどうしようもないので、あきらめて自転車を停めて息を整えます。く、苦しい。なんでみんながミキさんを追いかけないかが良く分かりました。そのまま休憩がてら、後から登ってきたかぜはるかさんを撮ります。かぜさんも良いペースです。とてもついていけそうもありません。東京から自走してくる人は別次元のようです。
keiさんを撮り、その後をついてゆくことにしてデジカメをしまいます。だいたい、普通に走れそうなペースのようです。
ゲートから先は7kmほどです。短い距離なので精神的には楽ですが、標高2100mの手前の坂はとてもきびしく、途中二回も立ち止まって呼吸を整えるために休憩しました。
2100m地点を越えると坂はゆるやかになりました。九十九折は終わり、大体まっすぐな道になって、なだらかです。
よかった、あの坂がもう一つあったら心肺がついて行かなくて大幅に休憩をとらないと登れなさそうでした。この坂が麦草峠で一番しんどかったです。
あとはもう「もうのぼれないよー」などと泣き言を言いながら、ゆっくりとkeiさんを追って走っているうちに、麦草峠に到着しました。
先に最高地点まで行って記念撮影をして、麦草ヒュッテの看板前に戻って全員が上がってくるのを待ちます。
寒くなってきたのでゴアテックスの雨具を羽織ります。するとミキさんが下りでお腹を冷やさないための必殺技を披露してくれました。なんと、お腹に新聞紙をはさむというものです。こ、これは凄い。今度ぜひ真似しようと思いました。それにしてもミキさんってスリムです。やっぱりサイボーグだからでしょうか。
麦草ヒュッテでは餅入りうどんを食べました。おのひろきさんが遅刻のおわびにおごるという話も出て、おのさんも承知したのですが、さすがに金額が大きく、注文する段になってとりやめになりました。
下りは、速い組と遅い組に分かれました。これはとても助かりました。ぼくは下りでは恐くてスピードを出せないのです。下りでスピードを30km/h以上出すと、路面が見えず確認が出来ません。まっすぐな道なら40km/h程度出せないこともありませんが、九十九折なら30km/h台が安全に走れる限界だと思います。ぼくは、恐くてブレーキをかけてしまいます。
遅いチームはにちさんがゆっくりしたペースで下りてくれたのでとても助かりました。自分には丁度良かったです。下りは登りの3倍疲れます。路面を注視するので景色を見ることもできません。腕も疲れるし、神経が参ります。
道が左右に分かれる場所で速いチームも待っていてくれました。遅い速度で下っていたので、指有りのグローブは暑いだけでした。念のためゴアテックスレインウェアの上下を防寒防風用に来たのですけれど、これも暑いだけなので、ここで脱いでしまいました。
両チームが合流した後は、皆さんスピードが速く、ちぎられてしまって前後に人がいない状態で走ったのでちょっと不安でした。追いつこうとスピードを上げてみたものの、恐いのでやっぱりゆっくりで行くしかありませんでした。下りは怖い。うーん、登りの方がぜったい楽だよー。
途中で須藤さんを見かけてほっとします。道を間違えるのが心配になっていたので、須藤さんがフォローしてくれるのはとても安心しました。
松原湖駅の手前で、皆さん待っていてくれました。再度集合して、今後の予定を決めます。いっとくさんが野辺山まで自走を希望し、ミキさんもよろこんで走ることになりました。おのさんも自走です。
コアなメンバー以外は16:19の小海線で輪行し、野辺山に先行して風呂に入ることになりました。細い道を下り、そのまま休憩所風の空き地に乗りいれると、そこが松原湖駅のホームそのものでした。改札もなにもありません。
皆が輪行の準備をするのを見てみます。自分以外の輪行準備を見るのは初めてな上、どれも面白い自転車で刺激的です。渡邊眞起さんのSat R Dayなども意外に簡単そうに収納できるので驚きました。かぜさんの自転車は分解した姿もとても綺麗です。こういうのもいいなあ。
二両編成の小海線に10人強が乗りこみます。車両には折りたたみ自転車があふれています。空いていたのが幸いでした。
野辺山駅で、直接風呂に入りに行く組と、一度「こっつぁんち」に行って荷物を置いてから風呂に入りに戻る組に分かれます。風呂は駅のすぐ近くの野辺山荘という旅館の光明石温泉というお風呂です。立ち寄り湯だと600円でした。洗い場は六つくらいなので、丁度良い人数でした。
自転車の後のお風呂は本当に最高です。ぼくはアルコールは全く飲めないので、自転車というとアイスやジュースなどのおやつに、美味しい食事に、温泉というのが外せません。
風呂を出て旅館のロビーに座ってまったりして、今日の麦草峠は無事に終わったねえという話になりました。でもまだ終わったわけではないので、この後去年おのさんが鍵をなくしたようなドラマがあるかもしれないという話になりました。そんな話をしながら全員揃うのを待っていると、@nak(あ)さんが、「財布がない」と言い出します。でもこれは、旅館に入るときに貴重品を一括して預けていただけでした。ホッ。
飲み物を買って、こっつぁんちまで走ります。駅前の旅館野辺山荘のさらに先にまっすぐ進み、線路を越えたところの分岐を左側を進めば、こっつぁんちまでは10分とかかりませんでした。
こっつぁんちの周囲は野辺山の畑が広がり、とても美しい景色です。平らな畑が広がる先には山があり、山は雲に覆われてきています。麦草峠の麦草ヒュッテを過ぎた最高地点周辺の景色も感動しましたが、こっつぁんちの周辺の景色も素晴らしいです。こっつぁんちは野辺山天文台のパラボラアンテナがバックに見える場所でした。
こっつぁんちの夕食は自家製の野菜たっぷりで、とても美味しいものでした。夕食の後も、色々な話が聞けてとても面白かったです。
翌日は予定があり、早々に失礼させて頂きました。ミキさんおすすめの峠越えの昇仙峡が魅力的だったので残念です。又の機会にしたいと思います。
ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk0803.trk trk20803.zip 18,017bytes)をカシミール3Dで表示し、注記したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。