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熊野−潮岬

輪行写真

太平洋側のみ梅雨明け

梅雨はまだ明けきっていないのか、狙っていた日本海、福井方面はこの週末雨のようです。
ウェブで天気予報を調べると、和歌山方面は晴れそうな感じです。うん、こっちかな。
時刻表を繰って検討します。お伊勢参りとパルケエスパーニャは経験済み。すると、熊野三山から周参見までが未知の領域ということかな。
紀勢本線を亀山側から白浜方面に回るという今回の旅の方向を決めます。次に決めるのはトレンクルかBD-1か。
近所の本屋が閉まる前に、るるぶ南紀伊勢志摩というガイドブックを買ってきます。うーむ、自転車でどこを走るか決めていないけれど、坂はありそうだし、距離も20-30km程度におさめられるかどうかわかりません。ここはBD-1の出動を決めます。
青春18きっぷを買ったので、紀勢本線各駅停車の旅が楽しめそうです。時刻表を繰ります。うぐ、紀勢本線あなどりがたし。何時間も間が空いていて、各駅停車で行くと新宮に夜着くのがせいぜい、自転車に乗る時間もとれそうにありません。新幹線で名古屋に出るか。うーん。時刻表を眺めて、近鉄で松坂まで出るのが一番無難そうだとふみます。朝7:10上本町発の近鉄特急に乗れば、9:31多気発の紀勢本線各駅停車に乗れます。これを逃すと、次はなんと13:15多気発まで3時間以上列車がありません。
そうしてまだ十分に検討もしないうちに、眠ってしまいました。


ホームをダッシュ

翌朝、5時半頃に目が覚めました。コンビニおにぎりを食べ、朝の巡回を済ませます。鞄に必要な物(着替えやパンク修理キットや時刻表)を放り込み、着替えると、もう6時20分でした。旅程の検討はさておき、駅に向かいます。
阪神電車で梅田方面に乗ってから、はたして7:10上本町に間に合うのか検討します。梅田乗り換えでJRで鶴橋に出ていては間に合いません。野田で乗り換えて千日前線で谷町9丁目に出れば、ぎりぎり間に合う可能性が残っています。
野田阪神で地下鉄の時刻表を見ると、上本町乗り換えに3-4分しかありません。ぐ、だめかも。あわてて時刻表を繰って、代替案を検討しますが、間に合わないと多気発は午後になってしまいます。
谷町9丁目から上本町までBD-1を担いでダッシュします。4分しかありません。と、目の前に近鉄の改札が。ラッキー、と200円の切符を買って改札を抜けます。特急、特急は・・・。ガーン!地上ホームだそうです。地下ホームの端から端まで駆け抜け、エスカレーターを走り上がります。地上ホームに出て、反対側の列の特急ホームまで走ります。あ、発車の放送とベルが。なんとか特急に飛び乗って呼吸を整えます。


乗り換え失敗

・・・ところが、発車したのは隣の特急でした。あ、あれ!ま、間違えた〜〜!!!
以前近鉄特急に乗ったとき一番端のホームだったし、いかにも特急然とした列車が停まっていたので飛び乗ってしまいましたが、実際に乗ろうとした特急は隣のホームだっとようです。がっくり。ううう、せっかく間に合ったと思ったのに。これで3時間以上のロスに直結だ〜。
とりあえずトイレで用を足し、次の特急以外のルートで松坂に一番早く着く方法を調べます。近鉄の他の路線の特急を経由していけないか。・・・案内カウンターの駅員がたまたま席を外していないので、近鉄時刻表を見てみます。あ、7:50の特急を待たなくても、7:25の快速急行がある。これはどうなんだろう。昨夜見ていたJTBの時刻表にも、この快速急行までは乗っていなかったので到着時刻の見当がつきません。
快速急行のホームに行き、車掌さんに松坂到着時間を尋ねます。9:13頃になるとのこと。
む、むむむ。これだと、9:16松坂発のJR特急オーシャンアロー南紀1号で多気までショートカットすれば、多気9:31発の各駅に追いつけます!
3分で近鉄からJR特急に乗りかえられるかどうかはともかく、この快速急行に乗っていくことに決め、BD-1を担いで乗りこみます。
車椅子用?空きスペースのある車両を見つけ、BD-1を置き、座ります。
さて、腰を落ち着けたので、ようやく今日の旅程を考えはじめます。


ようやく計画

・・・どこへ行こう?いや、まず今夜の宿はどこにとるかだ。安いビジネスホテルがあるのは新宮のようなので、新宮泊まりと仮定します。どちらにせよ、新宮より先まで到達できなさそうですし。そうすると、明日は本宮往復と那智の滝を見るか。それだとあとは速攻帰宅しないと間に合わない。月曜も仕事だし。
むむむ。ガイドブックと時刻表を眺めて色々検討していきます。
あ、ワイドビュー南紀にもし乗れるなら、そのまま特急で那智勝浦までいってしまおうか。それなら今日のうちに新宮まで戻って泊まってもいいし、那智で泊まれればもっといいけれど・・・。宿を調べると、那智勝浦は高い温泉宿しかなさそうです。雑誌「旅」2001年7月号付録の「青春18きっぷの最強の味方 駅から徒歩5分、8000円以下の宿2000件」で調べても、安宿は新宮か串本になってしまうようです。串本まで行ってしまうと、新宮も本宮も見ずじまいです。
やはり新宮で泊まる線で考えます。ワイドビュー南紀1号で新宮まで行き、今日のうちに本宮までバス往復し、新宮も自転車で回る。明日は那智の滝から自転車で周参見方面を目指す、というのが熊野三山を回り、南紀の海岸線も楽しめる実現可能な欲張りプランで、とても良さそうです。
しかし、問題は松坂の乗り換えです。3分しかない乗り換え時間で、近鉄からJRに乗り換えて特急券を買って特急ホームにきちんと間違いなく走りこめるのか。しかも重さ10.5kgのBD-1を担いでの話です。
間に合わなかったら、松坂で昼食をとり、次のワイドビュー南紀3号で新宮まで行き、新宮か本宮のどちらかだけ見て泊まるしかないかな。また、ワイドビュー南紀1号に間に合っても、自由席に空きがなければ、多気で下りて青春18きっぷに日付を一つ入れてもらい、各駅停車で進むことにします。

大筋の計画が決まったので、近鉄で一眠りすることにします。


松坂

輪行写真
松坂に着いて、ホームを走ります。階段を駆け登ろうとすると、前のおばあちゃんにはばまれ歩くしかありません。やっぱだめかな、とすでに半分おだやかなココロになって、JR特急のホームを探します。あれ、近鉄とJRの乗り換えって改札がないんだ。あ、特急ホームも近いや。しかもまだ来ていないみたい。
ワイドビュー南紀1号は1分ほど遅れて入線してきました。自由席の車両まで走り、BD-1は車両端の荷物置き場にすっぽり収めます。席は座れました。車掌さんが回って来たときに新宮までの乗車券特急券を購入します。ああ、ようやく一安心。


輪行写真 熊野への車窓の眺めは、トンネルの合間に見える緑の山並が美しいです。
お腹が空いたので、車内販売でさんまの姿ずしを買って早い昼食にします。


新宮−熊野速玉大社

輪行写真
新宮に着きました。BD-1をかついで降ります。改札を出て、観光案内所のおねえさんに本宮への行き方を聞きます。わらばん紙の時刻表をもらい、バス停を教えてもらいました。
手荷物預かり所はないそうです。コインロッカーの大にBD-1が入るか試してみましたが、厚みがあって入りません。扉の所をうまくかわせば入りそうなんだけど・・・今後の研究課題にして、自転車は組み立てることにしました。
バスの発車まで30分以上あります。せっかくなので、新宮の大社である熊野速玉大社に詣でることにします。徒歩だと間に合わなくても、自転車だとあっという間です。
駅に戻り、めぼしを付けておいたビジネスホテルに自転車をとめます。チェックインは15時からのようです。


熊野本宮大社

輪行写真
バスに乗ります。街中を抜け、ふと見ると熊野の緑の山あいを熊野川がとうとうと流れています。うわあ。熊野に来たんだなあ。
折りからの雨で、水かさはだいぶ増しています。川湯温泉の河原なんか水没しているんじゃないかしら。ぽっとさんとぽっとさんの旦那さんとうにちゃんに連れられて夜中に川湯温泉に入ったときのことを思いだして、やっぱりこれは同じ川なんだと思います。(実際には支流の大塔川)
本宮大社までバスで1500円、一時間以上かかります。けれどずっと窓から熊野川と山並を眺めていて飽きることがありません。
ときどき山崩れの跡があらわれたり、どこからあんなにたくさんの水が来ているか不思議な滝がいくつも見えてきます。窓にかじりついてみていると、道は右に左にカーブし、徐々に上っていきます。

山の木々の色がまだらに変わっているのは、植林した杉とそれ以外の違いなのでしょうか。治山は簡単なこととは思えません。

1時間ほどで瀞峡に入ります。そして川湯温泉、渡瀬温泉、湯峰温泉を経由し本宮に入ります。


輪行写真 本宮大社前で降り、熊野本宮大社に詣でます。帰りに参道の茶屋に入り、もうで餅を食べます。表面に玄米粉をまぶしたやわらかいお餅の中にあんこが入っています。美味しい。柔らかいお餅が素敵です。

明治22年に流されるまで本宮があったという河原に行きます。平成に立てられた大鳥居が見えます。


湯の峰温泉

輪行写真
湯の峰温泉までバスで移動します。来るときに、バスの窓から見て徒歩はやめておきました。狭い車道を一山越える感じです。
湯の峰温泉で下り、公衆浴場に行きます。入湯料を払おうとして、「一般浴場」と「くすり湯」に分かれているのに気付きます。一般浴場が200円、くすり湯だと300円します。受付のおじさんにたずねてみると、「くすり湯は温泉100%のさまし湯だけどシャンプー石けん禁止、一般は温泉を水で薄めているけどシャンプー石けんは使っていいよ」とのことです。
まあ、ここはくすり湯にしておきます。一般浴場の入口は受付のすぐ前に男湯と女湯のドアが並んでいましたが、くすり湯は奥の入口を入り、中で男湯と女湯の入口が分かれていました。
服を脱いで浴室に入ると、とても狭い中に先客が2-3人いました。まずは汗埃を流してから入ります。浴槽には湯の花が浮いています。温泉は良い感じであたたまります。ふう。今日は運動していないけれど、温泉で身体を伸ばすと昨日までの疲れが取れていない部分なのか、手足に染み渡って気持ち良いです。ついついゆったりしてしまいます。裏庭には小さな小さな滝が見えます。熊野では小さな滝は珍しいものではないのかもしれません。
湯峰温泉公衆浴場を出て、ペットボトルの水を補給してから、ソフトクリームを買って歩き出します。2km弱の距離、ぼくの足で20分と見積もっています。来るときにバスで見ていて、早足でも15分では無理だと分かっています。
汗びっしょりになりながら坂道を上っていくと、「どこまで行くの?のっけてってあげようか」と声をかけられました。既に半分以上の距離を歩いていてもう少しなので、お礼を言って遠慮しました。親切だなあ。


永春亭のそば

輪行写真
ようやく目的のそば屋 永春亭が見えてきました。渡瀬バス停から石段を登ると、家が建っています。玄関を開けて挨拶すると、奥から「いらっしゃいませー」と返事が。えらい金持ちの別荘のようだけれどそば屋です。全面ガラスの窓からの眺望はすばらしいです。
大盛ざるそばを頼みます。薬味は使わず、たっぷりの量のそばをたぐると、なかなか美味しいです。つゆも比較的辛口で、関西のそば屋の甘いつゆでないのにホッとします。
そば湯もとろりとしておいしいです。満足して席をたちました。


わたらせ温泉

輪行写真
渡瀬温泉まで下りてきたので、町を散歩しようと歩き出します。温泉に入っている時間はなさそうです。バスの時間まで20分ほどで、それが終バスの一本前です。倒れそうな日差しの下をふらふら歩いてみます。ところが湯の峰温泉のような歴史ある温泉街ではなく、新しく作った施設のようです。ホテルが三つと日帰り入浴用大露天風呂、クアハウスの構成です。というか、見覚えがあります。ここも永森さんと来たときにぽっとさん一家に案内してもらった場所でした。たしか夕食を食べ、あげくの果ては大阪まで車で送っていただきました。旦那さんは徹夜で運転して送ってくれて、そのまま寝ずに出勤したはずです。この恩はいつか返さねばと思いつつそのままです。
渡瀬温泉バス停まで戻り、日陰でバスを待ちます。時間通りにバスが来ました。乗りこむと暑さで疲れ果てていたのか、眠ってしまいました。


輪行写真 終点新宮で下りて、ホテルに行く途中にちょっと徐福公園に寄ります。なんか謎の中華風の門の小さな公園です。秦の始皇帝のため不老不死の妙薬を探すため東の島に渡った徐福がここ熊野に来て、永住したとの伝説があるようです。


新宮のケーキ屋さん

ステーションホテル新宮にチェックインし、新宮の街中を自転車で一回りします。おいしそうなケーキ屋「パリ・ブレスト」を発見。(生)ブルーベリー・タルトとオレンジのタルトを買います。喫茶が丁度終わったところでした。
スーパーで明日の朝食用のパンを買います。ホテルの朝食が7時からですが、その前に出る計画です。
ホテルに戻ってケーキを食べると、ブルーベリータルトはおいしかったです。おすすめ。オレンジのタルトはカスタードクリームでホームメード風でした。パリブレストの小さな顔のシェフとまだ幼い娘さんを思いだしました。新宮に来たらまた買いたいな。

今日はほとんど自転車に乗っていないので、あの心地よい疲れがありません。明日は自転車三昧だ!


早朝出発

輪行写真
朝5時半に起きて、パンで朝食、6時丁度にチェックアウト。
ところが、新宮の街中から国道に出る道が見つからず、海岸線に出ては行き止まりで戻り、小さな急坂を何度か越えてようやく国道に。
国道は海沿いの眺望を楽しみながら快適にペダリング。7時には那智の海岸から滝への道へ曲がり、徐々に上っていく道を進みます。
滝までは8km、距離はたいしたことありませんが、滝に近づくにつれ、九十九折れの登り坂となります。徒歩だと熊野古道の大門坂が通っている場所です。


那智滝

輪行写真
ついに道から滝が見えました。おおおすごいぞ。飛瀧神社の鳥居の横にBD-1を停め、滝壷の前まで歩きます。
美しい滝です。日本一の落差だそうですが、この133mというのは二の滝、三の滝も含んでいるそうです。
滝の絵を想像でかけば、まさに那智滝の姿になるのでしょう。
しばし見とれた後、からす天狗の厄除け鈴を買います。BD-1に今付けている熊避け鈴に追加です。
鳥居まで戻り、鈴を取り付けます。走りだすと、巡礼の雰囲気の自転車になりました。


熊野那智大社

輪行写真
熊野那智大社の参道入口まで走り、そこから徒歩で石段を登ります。先ほどの神社は熊野那智大社の別宮でした。大社の横にある那智山背岩渡寺に先にお参りします。
次に那智大社へ。巫女さんがおみくじの用意をしています。まだまだ観光客が来る時間ではないのでしょう。参道の土産物屋もまだ一部しか開いていませんでした。
お茶を飲み、那智大社からの眺めを楽しみます。


輪行写真 さて、参道の石段を下りると、海岸線までずっと下り坂です。走り始めると正面に那智滝が見えます。思わず「最高!」と叫びます。
九十九折れのカーブを切り返すたび、滝の姿は上へ上へと遠くなっていきます。スピードが上がり、コーナリングを楽しみながら下りていきます。これだから自転車はやめられません。
国道まで下りきり、横切って那智駅に行きます。那智海岸は駅のすぐ裏手のようです。駅前には温泉施設があり、海水浴の後温泉を楽しめるようになっています。駅の横に線路をくぐるトンネルがあり、そこが海水浴場入口のようです。


那智海水浴場

輪行写真
自転車を駅前に停め、海岸に出てみます。
白砂の海岸が広がっています。500mくらいの長さがあります。これはたまらん、泳ごう。
トイレで着替えようかと行ってみると、なんと無料シャワー完備の新しい更衣施設で、ロッカーと温水シャワーはコイン式で有料のようです。きっと町の施設なのでしょう。護岸も石畳風できれいです。こんな整った美しい海水浴場は初めてです。早速服を脱ぎ、荷物をコインロッカーに収め、パンツ一枚になって砂浜へ走り出ます。数家族が遊びに来ています。空いている。朝だからかな?
海に入ると、水が冷たくて気持ち良いです。今日は気を付けないと熱射病の恐れがあります。水分が不足すると特に危険ですが、泳いでいる分にはその心配がありません。


輪行写真 北の端のブイから泳ぎ始め、反対側の南端を目指します。南端には、十数人が泳ぎに来ています。南端のブイの外は岩場のようです。ブイで折り返し、元いた方へ戻ります。頭を冷やすため、顔をつけて泳ぐようにすると、白い砂と海草の海底まで見通せます。水深3mちょっとの所を泳いでいるようです。少し沖に出すぎたかな。このあたりは一人も泳いでいません。背泳ぎや横泳ぎをしながらもう少し岸の近くを泳ぐようにします。
北の端まで戻ると、波打ち際で寝転がって、身体を冷やしながら休めます。流された死体の気分。一往復だけ泳いだので、1km程度でしょうか。
陸に上がると、身体が重いです。数十秒横になってみると、身体全体にけだるい疲れを感じます。これも気持ちいいな。
更衣室に戻り、シャワーを浴びます。下着を洗い、固く絞って水切りします。
駅に戻ると、小一時間経っていました。


マグロ丼

輪行写真
紀伊勝浦の町を目指します。那智は海岸だけでしたが、紀伊勝浦側は港と町があります。勝浦港を眺め、町中をゆっくり流します。めぼしをつけてから、港近くの小さな店に入り、まぐろ丼をたのみます。生マグロ水揚げ日本一の港町です。マグロ丼にはぶあつく切ったマグロがたっぷり乗っています。おいしい。早朝にパンを三つ食べただけなので、腹が減っています。ぺろり。
1時間以上早い昼食を済ませ、出発です。


南紀の海岸

輪行写真
ここからは本州最南端の潮岬を目指してひたすら紀伊半島を進みます。国道42号線は狭く、自転車が通りやすくはないはずですが、今は交通量が少なく、ギリギリ真横を抜かされまくる恐怖は少ないのが嬉しいです。


輪行写真 ときどき、水分補給をしたり奇岩の立つ海岸線を撮ったりしながら、延々続く道を走ります。自転車上から見る景色は素晴らしく、これは自動車や鉄道では味わえない至福です。良い景色があったらいつでも立ち止まって眺められます。
ときどき、風向きが厳しい向かい風になると、時速15kmほどに落ちてしまいます。風向きが変わると時速27kmに戻して走ります。予想したほどは坂道がないのに助けられます。


潮岬

輪行写真
走りつづけてどうにか串本の街中に入ったらしく、土産物屋などが並んでいます。ここからは、国道をはなれて潮岬まで行くだけです。ところが意外に距離があり、しんどい登り下りの坂道が連続します。それでも、ときどき海が見えると、叫びだしそうになってしまいます。あおい碧い海、本当の、太平洋!
そうして本州最南端潮岬灯台前に到着しました。自転車を下り、写真を撮ります。
灯台のおばちゃんが、「今日は暑いからゆっくり休んでき」と言います。そういえば汗があまり出なくなっていました。ペットボトルの水を飲みます。汗が噴き出します。


輪行写真 灯台からの眺めは素晴らしく、太平洋がこんなにも美しいのだと知りました。
GPSを見ると今日はここまでで70km走っています。ふひい。時刻表を繰ります。青春18きっぷが使える時期です。丁度良い普通列車があります。というか、この14:34をのがすと次は16;30で、それが今日中に帰りつける普通列車の最終になってしまいます。
串本の駅まで行っても14時前なので十分間に合います。
今日の行程を串本駅から輪行と決め、帰途につきます。
帰りにはアップダウンも気にせず漕ぎ倒して進みます。駅はどこ?しかし最近使っているハンディGPS etrex Vista日本語版の地図には、詳細マップでも駅の位置が入っていないのです。ポケナビmap21に比べて、この点は大幅なスペックダウンです。地図が道路地図のような感じで、住所と道路ばかり詳細に登録してあって、駅や岬や峠がおろそかになっています。駄目です、この地図は。もう少し使い物になるような地図にして欲しいです、輪行者にとっては。


串本

輪行写真
適当に走っているうちに駅に出ました。BD-1を停めると、客待ち中のタクシーの運転手が離しかけてきます。「変わった自転車だね」「折りたたみなんです」「軽いの?」「10kgくらいです、10.5kg」BD-1は注目の的です。
さくさく折りたたんで輪行です。その前にちょっとトイレに寄って、汗びっしょりの下着を脱いで着替えます。靴下まで汗でずっしりと重くなっていました。自動販売機でジュースを飲んで水分を補給しておきます。
青春18きっぷを出して日付印を押してもらいます。帰りは普通列車、一日どんなに乗っても2300円です。
紀勢本線各駅停車に乗り、jornada568を取り出してぷちぷち。今日は早朝から自転車と石段と泳ぎで、書くひまがありませんでした。初めて腰をおちつけて輪行@@を書き始めます。各駅停車は地元の中学生なども乗っていて、意外に乗客があります。向かいに座った女の子二人は姉妹なのか、たえまなくパワフルにしゃべりまくっては笑っています。小学生3−4年生と6年生くらいでしょうか、顔が赤く日焼けしています。
ふと自分の腕を見ると、真っ赤に焼けています。jornada568の画面に顔を映しただけでも、顔も真っ赤に焼けているのが分かります。
今夜はヒリヒリ苦しめられそうだな、と思いながらも、自転車の楽しみはやめられそうもありません。
白浜でどら焼きとお茶を補給、紀伊田辺で立ち食いそばをすすって空腹を収めました。
南部の次の岩代駅、今日は降りずに窓からながめます。岩代の海岸にはやっぱり誰もいません。ホームには人気がありません。今度はいつ来ようかな。


今日のルート

ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk0721.trk trk20721.zip 18,087bytes)をカシミール3Dで表示したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
距離は79.6km、移動平均速度は18.7km/h、移動時間4h15m、停止時間2h00m、最高速度53.0km/h、全体平均速度12.7km/hでした。
輪行写真


文市の小箱茶室ケーキ小箱LX紅茶読書[自転車]-[輪行26]/ 好み他伝言板リンク

文市(あやち)=青野宣昭