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淡路 谷と尾根筋コース

輪行写真


盛夏

灼熱の太陽とじっとしていても汗ばむ湿気。7月に入り暑い夏を迎えています。
布団を干して午前中をのろのろと過ごし、昼にようやく部屋を出ます。
iPAQ h4150とA5504TのBluetoothセットの稼働率は相変わらず高く、6月は約10万パケット利用で、ミドルパックの定額分丁度です。移動中でもデータが止まらない快適さを経験すると、安いだけが取り柄の激遅Air-H"には戻れません。
JR新快速で明石に移動、昼食を食べます。とんかつ元気という店に入り、ロース鉄板焼+とんかつランチにします。食後のアイスコーヒーのシロップは黒砂糖シロップでした。


たこフェリー

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フェリー料金所で520円払います。丁度フェリーが着岸して乗用車が乗船中のようです。誘導に従いそのまま乗ります。船腹壁面に自分で自転車を固定します。すぐにフェリーは出港となりました。待ち時間なしです。
明石海峡大橋の巨きな橋脚がまぼろしのように膨らみ、やがてたこフェリーは橋をくぐります。素晴らしい眺めを堪能します。


岩屋

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フェリーが岩屋港に近づいて来たので、船底に下り自転車を出口まで押します。着岸と同時にスタートし、交差点から川沿いの細い道に入ります。上り道をこいで進みます。岩屋の町のすぐ近くなのに上りです。周囲は緑、車も滅多に通らない山道です。これは自転車に最適です。気持ちの良い山ポタコースを楽しみながら登ると、県立淡路島公園に辿り着きました。停まって案内図を眺めていると、汗が全身に吹き出て来ます。くわあ、ここまで結構いい登りだったんじゃあ。
案内図によると、ここで右折しないと公園に突入してしまうようです。右折すると登り。登りながら右手に明石海峡大橋が眺められます。登って行くと、やがて広い県道に合流します。ようやくゆるやかな道になったものの、身体は綿のようにふにゃふにゃです。道端に植えられた小さな花に目をむけて、すっかりヘタレてふらふらしていると、前方から二人組の自転車乗りが来て擦れ違いざま励まされます。挨拶をして、気持ちを切り替えて前を見ます。
巨大観音の辺りで上りは一段落し、尾根筋のアップダウンとなります。右に瀬戸内海、左に大阪湾の気持ち良い尾根道をへろへろと進みます。木が途切れて海が見えると、尾根道の楽しさに心が開きます。
観光牧場に辿り着きます。もっと早く出発していれば、ここで昼食も良さそうです。他にも牧場があります。なんとなく、「ドナドナド~ナド~ナ~」と歌いながら進んで行きます。すぐに「あわじ花さじき」に到着しました。岩屋でフェリーを降りてから45分弱です。


花さじき

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駐車場には、MTB2台と、PANASONICのロードが1台停まっています。おお、パナのクロモリ!色はブルーです。ううん、クロモリの細いフレームはいいなあ。パナモリの向こうには、牛が放牧されています。
自転車を停め、何はともあれびわソフトクリームを買います。花さじきに足を進め、びわソフトを食べます。夏の花が綺麗に咲いています。花畑の丘は大阪湾へと下る斜面に続き、視界一面さえぎるものもありません。ベンチに座って休みます。
花さじきを一通り眺めてからヨーグルトを飲み、ペットボトル麦茶を補給しておきます。しばらく休んだので出発です。

爽快!

花さじきからの下りは最高です。前方の緑、丘、そして瀬戸内海を見下ろす大パノラマに飛び込むように、下り坂を自転車は疾駆します。異常なまでの快感です。
今日のコースは落書き伝言板で「みなと神戸」さんにお教え頂きました。淡路島を自転車で走るといえば一周だとばかり思い込んでいたのですけれど、この「谷と尾根筋コース」は素晴らしいです。心配していた車通りも、時間が遅いせいかほとんどありません。岩屋からの登りも距離はそれほど長くないので、一般的に勧められるコースのようです。
みなと神戸さんに感謝です。


常隆寺へのアプローチ

気持ち良い下りが一段落すると、右折すれば野島断層へ行ける交差点にぶつかります。ここで細道を直進し、ひどく急な坂を登ります。棚田や潅漑池が緑の木々に囲まれる複雑な地形を、上りの多いアップダウンをこなして行きます。ちょっと坂がつらいですけれど、自転車で走るに良い道です。久野々・常隆寺という案内板を頼りに淡路島の背を走ります


急坂

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やがて常隆寺の案内板で急坂に入ります。ここを進めばいいんだな。
が、あまりの急坂に、最初の10mで心が折れかけます。こ、これはえらい。
道がアスファルトに戻り、ややゆるやかになる所で呼吸を整えます。どうやらこれは気持ちを切り替えないといけないようです。
すぐに道はコンクリートに変わり、異常な斜度になります。暗峠よりはちょっとゆるいくらいかな。今まで走った道だと暗峠の次くらいに無茶な登り坂のような気がします。
ギアはもちろんロー、呼吸と、心拍と、そして回るペダルだけを意識して登ります。ときどき舗装がアスファルトに戻ると坂も少しはゆるやかになります。ほとんどはコンクリート舗装の、自転車で登るなんてありえないようなきつい急坂です。ありえない、ありえないよ。
細い道の両側には、アジサイが咲いています。この世の物とは思えないような綺麗な青色です。登っても登っても、アジサイは咲き並んでいます。
GPSを見ても、常隆寺には一向に近づいているように見えません。山頂は遠いです。
思考はできなくなり、ただ呼吸と鼓動とペダルの回転だけになります。坂はますます急で、一度足を付いたら二度と進めなくなりそうです。止まることなく、休むことなく、ただただくるくると進みます。緑の木々に閉ざされた視界、道の両側はアジサイが夢幻に続きます。アジサイ、アジサイ、アジサイ・・・。うつつかまぼろしか、分かりません。
それが何分、何十分続いたか分からなくなり、そうして突然に、お寺が目の前に建っていました。常隆寺です。


常隆寺

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突然に意識が戻り、境内に自転車を乗り入れると、身体が悲鳴を上げています。思わずヒーと叫びながら自転車を停め、サドルに肘をついて荒い息を吐きます。
常隆寺の中からおばさんが一人飛び出して来て、「あら自転車で、えらいでしょう」とあきれられます。
ベンチに倒れるように座り込み、おばさんとお話します。そうしていると、車で登って来たおじさんグループもやってきて、にぎやかになります。
お寺におまいりして、自動販売機でスポーツドリンクを買って飲み干します。自転車を撮っていると、おじさんが親切に撮ってくれました。
グループが去ってからおばさんと少し話をします。登って来る道の途中に咲いていたアジサイは青色なのに、ここのアジサイは紫色で、人の顔より大きいです。
別れを告げて、常隆寺を後にします。
急坂は登りも辛いけれど、下りはずっと恐いです。こんなところを登って来たのか、とあきれます。


ダウンヒル

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常隆寺の急坂を下りきり、道を少し戻ります。富島で海岸線に出て、フラットな道を岩屋に戻ることにします。常隆寺への登りで全身の筋肉を使ってしまっています。これ以上上りを走れそうもありません。
高速道路をまたぎ、仁井小学校の前の自動販売機で水分補給します。仁井から富島まで、見通しの良い道路で下りです。前方の景色が開けると、左から右まで、播磨灘がいっぱいに広がり、傾いた太陽の反射でキラキラと輝いています。その海に向かって、走りやすい下り坂をスピードを上げて飛んで行きます。最高!


野島断層

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サンセットラインに突き当たり右折します。潮の香りが胸に満ちます。1kmも進むと震災記念公園野島断層記念館があります。野島断層をちょっと覗いてから、サンセットラインを走ります。先日も走った海沿いの道です。平坦なコースなので、ギアをトップまで入れて踏みます。26-30km/hで走っていきます。遠くに霞んでいた明石の街が、近づくにつれはっきり対岸が見えだします。速いペースで淡路島最北端を回ると向かい風です。道なりに進むとゆるやかながら上りです。明石海峡大橋をくぐり、すっかり失速してゆっくりと進みます。岩屋港へ左折する道が見つかりません。前回はそういえばもっと海沿いに走ったからこんな苦労はしませんでした。岩屋港を行き過ぎてからようやく左折できました。えらく急な細い下り坂をブレーキを効かせて下ります。海岸線に出て左折して岩屋港まで戻ります。


明石駅

たこフェリーは出たばかりのようで、二輪車の列の先頭に並びます。フェリーが来たら早速乗車、自分で固定して船室に上ります。ソファーを思いっきりリクライニングさせて身体を投げ出します。疲れた。
少しうとうとして目覚めます。明石が近づいているようなので、下りて準備します。接岸と同時にスタート、明石駅まで走って折り畳みます。身体がえらい。
明石駅で夕食、助六御膳という店で助六そばと華セットという、たこめしの付いたメニューを選びます。丁寧にゆっくり造る店でした。おいしくいただきます。


今日のルート

ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk40703.trk trk40703.zip 13,782bytes)をカシミール3Dで表示し、注記したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
距離は42.5km、移動平均速度は13.8km/h、移動時間3h5m、停止時間0h45m、全体平均速度11.0km/h、最高速度47.3km/h、総上昇量813mでした。
輪行写真


文市の小箱茶室ケーキ小箱LX紅茶読書[自転車]-[輪行93]/ 好み他伝言板リンク

文市(あやち)=青野宣昭