文市の小箱茶室
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●水仙郷
高速バス
冬の6時に夜は明けていません。布団を抜け出し、寒さに震えて服を着ます。ネット自動巡回させる間に、おにぎりを腹に入れます。バッチでSL-C700に転送します。PalmやPocketPC、LX用のデータも作っているバッチです。SL-C700しか使わないなら、Windows母艦をやめてC700単体で巡回した方がすっきりするかな?あ、メール完全移行はだめだから、母艦のBeckey!のフォルダをCFにするのが現実的かも。まあTreo90も使っているから単体移行はしないけれど。
BD-1を担いで家を出ます。武庫川駅で折り畳んで阪神電車へ乗り込みます。
三宮まで移動して、JR三ノ宮駅東高架下の神姫バスターミナルから、福良行バスに乗り込みます。座席の前に自転車を置くと、脚を通路に出さないと座れません。幸いバスはガラガラなので、通路の向かいの座席に座ることにします。
バスは三宮から2号線を東に向かいます。(逆だぞ)と思っていると、生田川から高速に乗ります。シートベルト着用の放送に従います。明石海峡大橋を渡り、緑パーキングエリア、榎列、陸の港西淡、福良と停まって行くようです。名谷のグルグルを抜けて明石海峡大橋です。去年の淡路行きたこフェリーで見上げた巨大な橋の上を通ります。東の空が薄く朱に染まっています。バスはあっと言う間に渡り切ってしまい、なにか物足りなさを覚えます。
まあ、楽だなあ。一年と少し前に、BD-1を買って間もないころに必死に一周したときの事を思い起こします。あのときは鳴門の手前から道を間違え、鳴門岬周辺を抜けて水仙ラインまで出るのにひどく苦しみました。日の落ちた立川水仙郷の登りではほとんど泣きが入っていました。
バスは高速道路をどんどん進みます。淡路島に入ってから結構距離があるようです。そうして、いつのまにかぐっすり眠っていまい、高速を出て陸の港西淡に着く頃には朝日が車内に満ちていました。腕時計を見ると、三宮を出てから1時間ほど経っています。
壊れたLANDMASTERの代わりに年末に買った、SEIKO KINETIC AutoRelay TITANIUMです。
福良
バスが福良に着いたので、切符を渡して降ります。トイレで用をたしてBD-1Cを組み立てます。冷たい風が吹いています。
バスターミナルを出ると、目の前は福良港でした。右は鳴門、左へ進むと灘黒岩水仙郷。今日の目的地は数百万本の水仙が海際の山の斜面に咲き乱れるという、灘黒岩水仙郷です。左へ曲がり、水仙ラインを目指します。
福良の町を出るといきなり登りです。結構な斜度。ああ、自転車乗り始めて間もないころにここにきたら、そりゃあくじけて押しが入るよなあ。などと思いつつしんどい坂をぐいぐい登ります。
道のカーブや花壇に覚えがあります。自転車で走った道って、覚えているものだなあ。
海岸線から一気に登り上げ、峠を越えて下りて行きます。前回は途中で何度休んで登ったことか。さて、前回は青年の家の辺りで道を間違え海岸線のどんつきまで下りてしまい涙をのんだのでした。前回と違う道をとることにします。GPSの地図を見て、道が繋がっているのを確認して島中央寄りのコースをたどります。
割りと平坦な道ですが、いきなり雪が降ってきました。諭鶴羽山から沼島にかけて黒い雪雲が流れています。降った雪は、気温が低いためかアスファルトで融けずに、跳ね返ったり道の上を風に吹かれて転がったりしています。今日は雨具は一切持ってきていません。数日前にも、この一帯には珍しく雪が降っていたようです。この冬では今が一番寒い時期かもしれません。
雪に軽く叩かれながら自転車を走らせます。天気予報では午後は晴れに向かうはずなので、安心して走っています。
軽い登りを抜けて、道は灘の海岸線沿いに向かって真っ逆さまに落ちて行きます。いつもなら「最高!」と叫ぶところですけれど、今日はまだそれほど走っていないし、登り坂もまだまだ足りなかったので、「キターーーーーー!」と叫んで海に向かって急降下します。
おのころ島
海岸線に沿って、道は黒岩水仙郷の方へ伸びています。波の荒い日には潮が道を洗うという水仙ラインです。右前方、昇る太陽の反射に輝く海の向こうに、おのころ島が見えています。イザナギ・イザナミが最初に生んだ島。
おのころ島、淡路、四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州。
国生みの神話は面白いです。
水仙ラインに入ると、真っ向北風が襲ってきます。天気予報でもずっと北風の予報でした。走っているうちに、だんだん向かい風は強くなっていくようです。今日この調子で淡路島の北端の岩屋港まで走るのは、なかなかしんどいかもしれません。
右手に見える沼島が徐々に真横になり、右後方にいってしまうころに、黒岩水仙郷に到着しました。
黒岩水仙郷
左折して水仙郷に入ります。シーズンなので受付ができています。「自転車はどこに停めればいいですか?」と聞くと、受付の前に「そこ停めといて!」と言われます。「上まで自転車でいけませんか?」「むり無理」「かついでもだめですか?」「階段もあるし、一周して別の道をこの前の所に戻るのでここ停めといて」「はい、わかりました」
自転車を停め、水仙郷に入ります。駐車場まで来て見上げると、山の斜面に一面、水仙が咲いています。九十九折りの鑑賞路を人が何十人も登って行きます。ああ、こんなに混んでいたら確かに自転車は無理だな。おとなしく徒歩で登り出します。
とてつもなく急な山の斜面をジグザグに登って行きます。下を見下ろすと先程の駐車場を真上から見下ろす格好になります。ふえ。
水仙
展望台まで登ると、崖のような急斜面に水仙の花が咲き乱れ、その斜面の向こうに海、そしておのころ島が見えています。雪はいつのまにかやんで、水仙の花が敷き詰められた山の斜面に日がさします。
うわあ。いやすごいなあ。
急斜面から真下を見下ろすと、複雑な色に入り組んだ海と波です。高所恐怖症の人には地獄かもしれません。
遊歩道のところどころに梅の木が植えられており、梅のつぼみが丸く、少しほころび始めています。今日は寒いですけれど、この辺りは冬でも比較的暖かい地域なのでしょう。
デジカメのシャッターを何度も切ってから、下りて行きます。受付まで戻り、おばさんに声をかけて駐車場まで乗り入れて相棒の記念写真を撮ります。
まだ昼食には早いです。出発です。
モンキーセンター
黒岩周辺の水仙ラインは道が狭く、ひび割れています。ガタガタと衝撃があります。それ以上にチェーンが重く感じます。路肩に寄せて、少し注油します。これでだいぶ軽くなりました。
順調に水仙ラインを走って行きます。前回来たときに日没を迎えて暗い気分になったモンキーセンターの前を軽い気分で通り過ぎます。
そうして、道は山側に入って行きます。急な登り坂です。前回、(もう自転車で登り坂は走らないぞ)と泣きそうになりながら押して歩いた立川水仙郷への登りです。
登り坂を進もうとすると、前方に壁のように山が立ちはだかり、恐ろしいことに、その山肌を九十九折りに道が続いています。こりゃあ心理的にもダメージが大きいなあ。BD-1C買って早々に来たのだから、切なくなるのも無理はないや。
立川水仙郷への登り坂を、一度も休まず快適に登って行きます。丁度良い登り坂です。昼飯前の適度な運動という感じです。セーターは着たままなので、汗ばむのはしかたのないところ。今日は水仙観光なのか、ときどき自動車とすれ違います。前回は、わずかな台数のバイクに抜かされただけで、とても寂しい、人っ子一人いないような場所でした。
ナゾのパラダイス立川水仙郷
登り切って「ナゾのパラダイス 立川水仙郷」の看板の前で一枚撮ります。いい感じの坂でした。うーん、一年経って、これでも少しは自転車に慣れてきたのでしょう。辛いというより楽しい坂に感じました。
立川水仙郷を横目に通り過ぎ、下り坂を飛ばします。再び海際に戻り、進んで行きます。向かい風がきつくなってきました。しんどい。今回、登り坂よりも向かい風が大きな障害です。
洲本目指して走りますが、北風が強く、思うように進みません。必死に漕いで、時速30kmくらいかとGPSを見ると時速16kmだったりします。ひい、しんどいかも。まあ、時間さえかければ走れるのだから良いかも知れません。筋力が続けばの話ですけれども。
向かい風でへろへろになりながら、どうにか洲本の町に到着です。
洲本 御食国
洲本の町を巡り、結局御食国というレストランに入ります。順番待ちの番号札を貰ってからメニューを眺めるとやたら高いです。ああ、淡路牛か。せっかくなのでフンパツして3800円の特選淡路ビーフステーキ御膳にします。
モトを取ろうとサラダバイキングを山盛り二杯取っているうちに、弁当のようなものが運ばれていました。ん、ご飯がない、と言うか、ステーキもないぞ。あ、これが松花堂前菜かあ。うわ食い切れるかなあ。なんかおかずはこれだけでも十分な気も。前菜では、牛タタキよりお刺し身の方が美味しく感じます。む、刺し身にすればよかったか?前菜をガツガツ食べ終わると、とうとう淡路牛の登場です。なんか高そうな肉。鉄板が温まるの待って、油をのせ、野菜と焼き始めます。
うまい!このタマネギめちゃくちゃうまいよ!いや、肉も美味しいのですけれど、タマネギは絶品です。そういえば、淡路島ってタマネギの産地だったかも。
タマネギをおいしく食べ終わり、SL-C700をぷちぷち打ちます。うー食った食った。
アイスクリームとコーヒーが運ばれてきます。SL-C700で輪行記を書きながらコーヒーを飲みます。
のんびりしすぎて、レストランを出たのは2時を回っていました。1時間半、洲本に入ってからは2時間も経っています。
国道
重い身体をひきずるように走ります。全身にかいた汗がすっかり冷えて、ガタガタ震えています。ああ、今日は下着の替えをバッグに詰め忘れた。ひーん。
洲本からは国道です。水仙ラインよりは路面は整備されていますけれど、徳島や香川の10tトラックがガンガン抜かして行きます。うーん、洲本からバス輪行した方が賢かったかも。
身体が慣れてくると、どんどん進んで行きます。向かい風は午前中に比べて弱まっている感じです。ラッキー。
日差しはすでに弱い西日になっています。そうこうしている内に、雪が振り出します。昼頃は晴れていたのに。雪はみぞれになり、身体を濡らします。
岩屋
雪は走っているうちにやみました。明石行きフェリーの港、北淡の岩屋港めざしてがんばってこぎます。前回に比べると、軽い上り基調の道でも、ぐいぐい漕いでいけます。GPSがあるため、全行程のどの位置にいるかも一目瞭然です。気持ちに余裕があります。
そうして、明石海峡大橋が見えてきました。岩屋です。
たこフェリー
フェリー乗り場に行き、乗船券を買います。三回目ともなれば慣れたもので、船腹の脇にさっさと固定して、船室に入ってソファーに身を投げます。ぐったり。
たこフェリーは明石まで20分です。15分たったら、ジャンパーを羽織ってデッキに戻ります。フェリーをかもめが追いかけて、目の前にたくさん浮かんでいます。
船腹に戻って固定した自転車を出します。バイクに続いてさっさと上陸、明石駅を目指します。
今日のルート
ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk30202.trk trk30202.zip 14,912bytes)をカシミール3Dで表示し、注記したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
距離は79.7km、移動平均速度は17.1km/h、移動時間4h39m、停止時間52m、最高速度52.5km/h、全体平均速度14.4km/h、総上昇量602mでした。
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文市(あやち)=青野宣昭