文市の小箱茶室
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●賀名生梅林
使えない小型時刻表
二度目に目覚めると、夜が明けています。あわてて飛び起きて服を着ます。ん、ん、ギリギリか?
枕元に二冊の小型時刻表が転がっています。コンパス時刻表3月号と携帯全国時刻表12月号。コンパスには見向きもしないで、去年12月の関西版携帯全国時刻表を鞄に入れて、BD-1をかついで部屋を出ます。
コンパス時刻表は全国全線全駅載っているのが売りですが、日帰りおさんぽくるくるには全く使えないことが判明しました。まず、ぼくが使う甲子園口の駅が載っていません。初電終電は載っているので、詐欺にはならないでしょう。それを言ったら関西版携帯全国時刻表は全然全国ではないので、そっちの方が問題でしょう。コンパスに切れたのは、関西本線休日ダイヤが載っていなかったことです。平日ダイヤのみです。神戸線各駅も載っていないから、五條に行くのにいったい何時に家を出れば良いか、コンパス時刻表では全く調べられませんでした。使い物にならない。
関西版携帯全国時刻表なら、6時40分に部屋を出れば、最速乗換でつないで9時過ぎに五條に着けることが分かります。コンパスだと、6時に家を出ても五條着は11時を過ぎるようにしか読めなかったので、使えない、と判定しました。
6時45分頃出発、7時前に甲子園口に着いて手早く折り畳み、青春18きっぷに日付印を押印してもらいホームへ急ぎます。予定の電車に乗り、大阪で区間快速奈良行に乗り換え、朝食のおにぎりを頬張ります。
平日小箱と休日小箱
平日はCLIE PEG-TH55を愛用しているのですが、無線LAN環境のない場所へ出かけるときは、TH55は重いだけです。Bluetooth携帯があればh4150をお供にするのですが、auのA5504Tの発売は一ヶ月以上先です。そういうわけで、今日の小箱はhp100LXにAir-H"、F212iだけです。デジカメistDと交換レンズが重い分、少しでも軽くしたかったのです。
王寺の駅では、雪がちらついています。寒の戻りか、今日はえらく寒いです。出掛けにメッシュのグローブから防寒グローブに取り替えに部屋に戻って出発がギリギリになりましたけれど、防寒グローブにして正解だったようです。
和歌山線は二両編成のワンマンカーでした。乗客は多く、座席は埋まっています。吉野口でハイカーが数人降りていきました。窓の外を眺めると、雪が残っています。というか地面全体に薄く積もっています。ふ、冬だよここは。
雪が降っています。横殴りの雪は吹雪と言っても外れていないかもしれません。えらいことになってきたなあ。今日はのんびり賀名生梅林を観光ポタリングのつもりだったのですけれど。
北宇智でスイッチバックして驚きます。なんだかえらいところに来てしまったのだろうか。
五條
五條駅で改札を抜けて自転車を組み立てます。
雪はけっこう降っています。道路は雪が溶けて濡れています。少し走っているうちに止むかなあ、と思ううちにむしろ激しくなってきました。五條の町中、吉野川の手前で自転車を停め、ジャンパーのフードをかぶり、首まで襟を立ててジッパーを締め、サングラスをしてその上からヘルメットをかむります。完全防備で出発です。サングラスなしには雪が眼に入って走れない状態です。
ややのんびりと五條から南下して行きます。十津川方面に行くにもこの道路のはずですが、あまり広い道路でもありません。五條駅も、想像では大きなバスターミナルかと思っていたのですけれど、駅の外れにバス停がポツリと立っていて、バスの姿もなく、バスを待つ人さえいませんでした。駅にはタクシーが並んでいます。恐らく、交通手段はタクシーか自家用車なのでしょう。
車通りがないわけではありませんけれど、自転車で走るには良い道です。山へ向かうツーリング道に楽しい気持ちになってきます。柿の直売所がいくつか沿道に見られます。柿が特産らしく、西吉野村のカッキーくんの看板が立っています。
賀名生皇居
それほどの距離も走らずに、賀名生に到着したようです。賀名生と書いて亜脳と読みます。古くは「穴生」と書いたそうです。後村上天皇のときに無理やり当てた字のようです。梅林の入口があります。そこで、梅林とは逆に道の向かい側を探します。ありました。賀名生皇居の小さな案内板を発見、細い路地に乗り入れます。
賀名生と言えば、後醍醐天皇・後村上天皇・後亀山天皇の行宮のあった南朝の拠点です。
小さな民家に、「皇居」の額がかかっていました。ひええ。南北朝時代と言っても、南朝が正統なのは誰の眼にも明らかです。しかし南朝とは言うものの、名ばかりの逃避行としか思えません。こんな小さな民家に住んでいたんだ。ううむ。
後醍醐天皇が吉野に移る前、賀名生に寄って皇居と言った場所に、吉野を攻められて後村上天皇が逃げ込んだのもこの賀名生です。南朝を支持していたのでしょう。賀名生皇居は今も堀氏の住宅そのものだそうです。
後亀山天皇が足利と和解して南北朝時代は終わりを告げましたが、逃避行でしかなかった三代の天皇が正統の南朝を名乗り続けたという根性はたいしたものだと感心します。後醍醐天皇は凄い人物だったのでしょう。
賀名生梅林
賀名生梅林にとりつきます。えらい急坂。舗装路なので自転車で進みます。ギアは一番ローに落とします。梅の花が一面に咲いて、さらに雪が上に積もっていきます。白い山です。
桜の吉野山になぞらえて、中千本、見返り千本などと案内が書かれています。賀名生梅林は2万本といいますが、たしかに沢山梅の木が植えられており、月ヶ瀬より多く感じます。
山肌を縫うように道を登っていきます。頻繁に立ち止まって眺め、写真を撮ったりするので、急峻な登り坂もそれほど苦になりません。
梅の花に囲まれた雪景色の中を奥千本まで登りきります。民家の庭先の紅梅もまた美しいです。奥千本の少し先から、下りに転じます。細い山肌の舗装路は、両側を梅の花に囲まれています。梅林に入ってからサングラスを取ってしまっているので、顔に当たる雪粒が痛いです。それでも目を開いて、この素晴らしい景色を存分に楽しみながら坂道を下ります。
賀名生梅林を逆しまに下り切り、梅林入口まで戻って来ました。地図を広げ、西吉野温泉きすみ館まで足を伸ばすことに決めます。
西吉野温泉
賀名生から西吉野温泉までゆるやかな上り道です。寒い。空気は冷えて身体の熱を部分的に奪います。襟を立てて首筋を保護して走ります。自転車の鬼門、トンネルです。西吉野トンネルを延々走って抜けます。左折すると、斜面にきすみ館が見えています。
フロントで600円払って温泉に入ります。長袖シャツは汗びっしょりです。裸になって湯を頭から浴びて汗を流します。温泉はさらりとした癖のないお湯です。
温泉の窓から外を眺めます。庭の椿と梅の花、そして山を背景に雪がちらついています。ほとんど止んだかと思ううちに、また激しく降って来ます。雪見の温泉になりました。
柿の葉すし
温泉を上がり、フロントで買った柿の葉すしを休憩室の畳に広げます。丁度正午になります。西吉野「かじや」さんの柿の葉すしです。包んだ葉を広げるときの柿の葉の香りが素晴らしいです。今度吉野の「たつみ」の柿の葉寿司も食べにいかないとな。「かじや」の柿の葉すしはあっさりとしていて比較的塩気の強い味で、あっという間に全部腹の中に消えて行きました。満足。
きすみ館の休憩室で仰向けに寝て腰の疲れを取ります。家族連れがわいわいとお弁当を食べています。
五條駅発王寺方面は昼は毎時29分発です。いまからでは12時29分は間に合わないので13時29分に間に合うように出れば良いでしょう。のんびりと、hp100LXでぷちぷち輪行記を綴ります。
少しのんびりしすぎたか、いつのまにか12時半を過ぎていました。荷物をまとめ、出発することにします。雪は幸い小降りになっています。五條まで休まず抜けて行きます。
吹雪
五條から奈良行に乗ります。雪は再び降りだし、吉野口の辺りでは吹雪と言って間違いないほどです。智辯と書かれたバッグとバットを持った地元高校生も雪にあきれている所を見ると、いつもこういうわけではないのでしょう。汗が冷えたか、車内が寒く感じます。高田で乗り換え、雪が激しく舞う中を大阪方面へと戻って行きます。hp100LXで、昨日買った光文社の電子書籍を読みます。光文社はテキスト形式なので有難いです。それにしてもT-Timeは困ったものだ。voygerの社長は応援しているし、PocketPC2002でのアンチエイリアス表示も好みだけれど、PocketPC2003のiPAQの対応版が公開されないのは不便です。光文社のようにテキストで提供してくれると、購入した電子書籍が使えないということがないので、やはりこれが一番のように思ってしまいます。
今日のルート
ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk40307.trk trk40307.zip 8,594bytes)をカシミール3Dで表示し、注記したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
距離は30.6km、移動平均速度は15.1km/h、移動時間2h1m、停止時間0h35m、全体平均速度11.7km/h、最高速度38.6km/h、総上昇量502mでした。
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文市(あやち)=青野宣昭