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岡田史子

ペンで自分を啓くひとつひとつの作品


ぼくがNIFTYに入って、ハンドル(パソコン通信上のあだ名のこと)に使ったのは、岡田史子の「死んでしまった手首」という作品の主人公の名、文市王君(あやちおうきみ)でした。
岡田史子といっても、ちょっと古めの漫画家なので、ご存知ない方も多いと思います。
手許のサンコミックスの「ガラス玉」を見ると、昭和51年2月29日発行となっています。
朝日ソノラマのサンコミックスではこの他に「ほんのすこしの水」など、計3冊が出ていたのですけれど、古本屋でも見つからないことが多いかもしれません。
その後、NTT出版から「岡田史子作品集」全2冊が出版されました。
興味のある方は、ぜひこちらを入手されてお読みください。

高野文子の「絶対安全剃刀」が出たときに、ああ、岡田史子の潮流も全く絶えてはいなかったのかなあ、と感じました。
もっとも、岡田史子の絵柄は高野文子とは似ても似つかないものですけれども。

「サンルームのひるさがり」という作品があります。
主人公カノンのハートの砕け散るシーンのなんと美しく、かなしいことか。
また、「春のふしぎ」のミッチンが地獄に逃げ込み、地上で戦争が起きてうみゆりクルルルルが偵察の花をとばすと、戦争の埃の中に花を持って歩くヨーちゃんの姿が見えるコマの魅力。

物語消費も楽しいですけれど、たまにはこんな、皮膚を剥がして中を剥き出しにしているような作品に触れてみるのもいかがでしょうか。


「ガラス玉」
朝日ソノラマ
サンコミックス375

「ほんのすこしの水」
朝日ソノラマ
サンコミックスSCM-480

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文市(あやち)=青野宣昭